音楽 一気読み!!
音楽 第一話
○ライブハウス・前
100人ほどの行列が出来ている。
みんな腕時計をチラチラ見て早く入りたそうな様子。
行列の中でもひときわおしゃれな格好をした
みっくぃ(24)が腕時計とチケットを交互に見ながら
後ろに並んでいる友達に向かって。
みっくぃ「まだかね」
みっくぃの友達「もうすぐじゃない?」
ギターケースを抱えてよれよれの小学生が一番上のお兄ちゃんの
お下がりをさらに二番目のお兄ちゃんが着た
お下がりのお下がりのような
きったないTシャツを着た
ロンド(27)がライブハウスに向かって
全力疾走してくる。
みっくぃの友達「あ!みっくぃ!」
ロンドがみっくぃに激突する。
みっくぃが転ぶ。
みっくぃ「いってぇーな!この野郎!」
ロンド「ごめん(笑)
ごめん(笑)」
ロンドが笑顔で手を差し出す。
一瞬辺りがスローモーションになって
ロンドの目と歯が光り輝く。
みっくぃの目が少女漫画のようにキラキラと輝いて。
ロンドとみっくぃの周りがお花畑で埋め尽くされる。
みっくぃがスローモーションの中
ロンドの差し出した手に手を差しのばす。
辺りのスローモーションとお花畑が消えて
みっくぃがロンドの手を払いのける。
みっくぃ「笑ってすむ問題じゃねーんだよ!」
ロンド「ごめん(笑)」
ロンドがかわいく微笑む。
ライブハウスの入り口からスタッフが顔を出して。
スタッフ「ロンドさん!何やってるんですか!
リハ始まってますよ!」
ロンドがスタッフの方を笑顔で見て。
ロンド「ごめん(笑)
ごめん(笑)
すぐ行くから(笑)」
ロンドがみっくぃの方を見て。
ロンド「ごめん(笑)
俺もう行かなくっちゃ(笑)」
みっくぃ「知らねーよ!」
ロンドがライブハウスに小走りで入っていく。
みっくぃの友達がみっくぃを立たせて。
みっくぃの友達「みっくぃ、大丈夫?」
みっくぃ「うん」
みっくぃがおしりについた土を手ではたいて落としながら
チケットを見る。
みっくぃの友達「今日出る人かな?」
みっくぃ「どうせフォークとかやる人でしょ(笑)」
みっくぃの友達が鞄からパンフレットを取り出して
みっくぃに見せる。
みっくぃの友達「さっきの人、このバンドじゃないの?」
パンフレットに「パパイ→」と書いてある。
みっくぃが笑いながら。
みっくぃ「なんて読むの?」
音楽 第二話
○ライブハウス・中
ドラムがスティックをリズミカルに叩く。
ドラム「ワーン・ツー・ワン・ツー・スリー・ふぉー!!」
ロンドがギターをかき鳴らしながらスタンドマイクに向かって叫ぶ。
ロンド「カモン!!(笑)」
観客が一斉に騒ぎ出す。
ロンド「才能を出すのは怖い♪
だけど出さないともったいないよね♪」
観客がモッシュをし始めて
ダイブを始める観客もいる。
ロンドの格好はライブ会場に駆け込んできたときと同じ
よれよれのTシャツ。
ロンド「鬼才!鬼才!奇才!♪(笑)」
観客は熱狂している。
観客「ホイ!ホイ!ホイ!」
観客が両手を振り上げてノリノリ。
みっくぃの友達が観客のノリノリ振りに唖然としている。
みっくぃの友達がみっくぃに振り返って。
みっくぃの友達「あの人たちそんなに人気あるの?」
みっくぃが両手を神に祈るキリスト教徒のように組んで
ロンドの姿を見ている。
みっくぃの目がハートになっている。
みっくぃの友達がみっくぃの肩を揺らして。
みっくぃの友達「ちょっとみっくぃ!聞いてるの?」
ライブ会場がみっくぃとロンドの二人だけになる。
みっくぃ心の声「かっこいい(笑)」
みっくぃの目からラブビームが出て
ロンドの口元に伸びていく。
ロンドは熱唱している。
ロンド「鬼才!鬼才!奇才!♪(笑)」
みっくぃが目をハートにして見つめている。
みっくぃの体が激しく揺れる。
みっくぃの友達の声「…っくぃ!…っと!みっくぃ!」
みっくぃがハッとした顔をしてみっくぃの友達を見る。
みっくぃの友達が心配そうな顔をしてみっくぃの顔を見つめている。
みっくぃの友達「ちょっと!みっくぃ!どうしたの?」
みっくぃが笑顔でみっくぃの友達の顔を見つめて。
みっくぃ「なんでもないよ(笑)」
みっくぃの友達「そう(笑)ならいいけど(笑)」
ロンド「のろっぺ♪(笑)」
演奏が終わる。
ロンドがマイクに向かって。
ロンド「どうも(笑)
ザ・パパイヤーンでーす(笑)」
みっくぃの友達がみっくぃに笑いながら。
みっくぃの友達「へんな名前だね(笑)?」
みっくぃがお祈りをしながら
ロンドをジッと見つめている。
ロンド「それでは早速ですが次の曲行ってみたいと思います」
観客からヤジが飛ぶ。
観客「そんだけかよ(笑)」
ロンドがギターでイントロを弾き始める。
観客が熱狂をし始める。
みっくぃがモッシュに入っていく。
みっくぃ「きゃー」
みっくぃの友達「ちょっと。。。みっくぃ!」
みっくぃが友達の声を無視してモッシュの輪に入っていく。
みっくぃがスローモーションの中
笑顔で暴れ回っている。
みっくぃ心の声「こんなに楽器を楽しそうに弾いて
歌を楽しそうに歌っている人は私の人生で初めてだった。
そして
これが
私の人生で初めての一目惚れだった」
音楽 第三話
○ライブハウス・中
みっくぃと友達がライブを見つめている。
ステージではパパイヤーンとは違うバンドが演奏している。
みっくぃがつまらなそうな顔でステージを見つめている。
みっくぃの友達をはじめとして観客は
曲にあわせて激しく頭を振っている。
みっくぃが友達の耳元に顔を近づけて。
みっくぃ「私ちょっとトイレ行ってくるね」
みっくぃの友達「わかったぁ」
みっくぃが人混みをかき分けて
ドリンクコーナーに向かう。
○同・ドリンクコーナー・前
みっくぃがドリンクチケットをカウンターに差し出す。
みっくぃ「すいません。ビールください」
カウンターに男の手が差し出されてチケットをカウンターに置く。
男の声「俺も同じのください」
みっくぃが何気なく振り返ると
ロンドがカウンターに並んでいる。
みっくぃがロンドの顔を見て笑顔になる。
売店のお兄さん「あいよ(笑)ビール二つ(笑)」
ロンドがビールを二つとも受け取って。
ロンド「ありがとう(笑)」
みっくぃ「ちょっとちょっと!ちょっとちょっと」
みっくぃがロンドのTシャツを引っ張る。
ロンドが笑顔で振り返り。
ロンド「なに?(笑)」
みっくぃ「何?じゃないわよ(笑)」
ロンドはバンドの音がうるさくてみっくぃの声が聞こえない様子。
みっくぃ「そのビール一つ私のなんだけど!」
ロンド「え?(笑)」
ロンドがみっくぃの顔にキスができる距離まで近づく。
ロンド「何?何?」
みっくぃの心臓の鼓動が高鳴る。
みっくぃの心臓の音「ドクン!ドクン!!ドクン!!!ドクン!!!!」
みっくぃが深呼吸をして
ロンドの耳に口を近づけて。
みっくぃ「そのビール一つ私のなんですけど!」
ロンドがビールを一つカウンターに置いて
手でOKマークを作る。
ロンド「OK(笑)OK(笑)」
みっくぃ「あなたさっき演奏してた人でしょ?」
ロンドがみっくぃの口元に耳を近づける。
ロンド「え?(笑)」
みっくぃ「あなた!さっき演奏してた人でしょ?」
ロンドが手でOKマークを作る。
ロンドがみっくぃの耳元に口を近づけて。
ロンド「そうだよ(笑)」
みっくぃ「いい歌だね(笑)」
ロンドがとりあえず笑っている。
みっくぃがロンドの耳元に口を近づけて。
みっくぃ「いい歌だったね!」
ロンドが手でOKマークを作って
みっくぃの耳元に口を近づけて。
ロンド「ありがとう(笑)」
ロンドがビールのCMに今すぐにでも出演できるような感じで
のどをごくごく鳴らしながら
おいしそうにビールを一気のみする。
ロンド「ぷはー(笑)」
みっくぃが何かを言いかける。
みっくぃ「それでね。。。」
ロンドが飲み干したビールをカウンターに置いて
みっくぃの手を引っ張っていく。
みっくぃ「ちょと!ちょっと!ちょっとちょっと!!」
ロンドがみっくぃを連れ去っていく。
○同・楽屋
8畳ほどの和室。
汗だくのバンドマンが寝っ転がっている。
みっくぃを連れたロンドが楽屋に入ってくる。
ロンド「入って(笑)」
みっくぃ「…」
ロンドが楽屋の扉を閉めるとバンドの音が静かになる。
ロンドがみっくぃを笑顔で見つめて。
ロンド「会場だと声が聞こえないからさ(笑)」
みっくぃが楽屋の中を見回している。
みっくぃ「どーも(^_^;)」
ロンドが手を差し出して。
ロンド「俺、ロンド(笑)
よろしっくり(笑)」
みっくぃが手のひらの汗をジーパンのおしりで拭いて
手を差し出してロンドと握手をする。
みっくぃ「私は。。。
みっくぃ(笑)よろしく(笑)」
ロンド「よろしく(笑)」
がっちりと握手をする二人。
みっくぃのほほがポッと赤くなる。
ロンドがみっくぃの顔を見て。
ロンド「ちょっとみっくぃ飲み過ぎじゃないの?(笑)
顔が真っ赤だよ(笑)」
みっくぃがほほに手を当てて。
みっくぃ「そうみたい(笑)」
みっくぃが苦笑いをする。
○同・会場
演奏が終わって
観客が帰り始めている。
みっくぃの友達が辺りを見回して。
みっくぃの友達「あれ?みっくぃ?」
音楽 第四話
○居酒屋・中
座敷に5人くらい集まって酒を飲んで騒いでいる。
みっくぃとロンドが隣あって座って酒を飲み明かしている。
ロンド「俺が音楽を始めたのは。。。。(笑)」
みっくぃが目をハートにして
ロンドを見つめている。
ロンドがグラスを掴んでビールをグビグビと飲む。
みっくぃも同じタイミングでグラスを掴んでビールをグビグビと飲む。
ロンド「プハー(笑)」
みっくぃ「プハー(笑)」
ロンド「…でね(笑)。。」
ロンドが笑顔で話し始める。
みっくぃがうんうんとうなずきながらロンドの話に耳を傾ける。
他のバンドマンが席を立って。
ベース「ごめん俺もう帰るわ」
ロンド「もう帰んの?(笑)」
ベース「ごめん。明日バイト早いんだ。ごめん」
ベースが謝りながら席を後にしていく。
ロンド「おちかれー(笑)」
ロンドが笑顔でベースマンに手を振り上げてバイバイする。
みっくぃ「ねぇねぇ」
みっくぃがロンドのTシャツの袖を引っ張っる。
ロンドが笑顔で振り返る。
ロンド「ん?(笑)」
みっくぃ「ロンドくんもバイトとかしてるの?」
ロンド「昔はね(笑)」
みっくぃ「今は?」
ロンド「んー。。(笑)してないかな(笑)」
みっくぃが笑顔になって。
みっくぃ「そうなんだ(笑)じゃあライブとかしていないときは
何してるの?」
ロンド「んー。(笑)何してるんだろ?(笑)」
みっくぃ「そしたらさ今度デートしようよ(笑)」
みっくぃが満面の笑みでロンドを見つめる。
みっくぃ心の声「自分でもびっくりするくらい
積極的な私がそこにいた。。。
私が男の人をデートに誘ったのは
生まれて初めてだった」
○ロンド家・ロンドの部屋(深夜)
ロンドの部屋で井上(27)が我が家のようにくつろいでいる。
ロンドがパソコンに向かって
キーボードをひたすら叩いている。
ロンドの部屋には大音量で
ヅンツクヅンツクとテクノっぽい音楽が流れている。
ロンドがキーボードを叩く手を止めて、
ベッドに仰向けになって漫画を読んでいる井上の方を見て。
ロンド「なぁ井上!(笑)」
井上が漫画をベッドに置いてロンドの方へ体を起き上がらせて
ロンドを見つめる。
井上「なに?ってか俺の名前井上じゃねーし(笑)」
ロンド「そうなの!?(笑)」
井上「そうだよ!井上ってのは小学校の時のあだ名で
本名は。。。。」
ロンド「明日デートすることになっちゃった(笑)」
井上がベッドから転がり落ちて
ロンドの元へ駆け寄る。
井上「誰と?誰と?」
ロンドがにやついて。
ロンド「なんかみっくぃって子と(笑)」
井上「やったじゃん(笑)」
ロンド「ありがとう(笑)」
井上「どこ行くの?どこ行くの?」
ロンド「水族館行って、セクハラして(笑)」
井上「水族館でセクハラはまずいだろ(笑)
ってか
セクハラって言ってる時点で
ロンド彼女作る気ゼロじゃん!!」
ロンドが大爆笑している。
ロンド「(引き笑いで)イヒイーヒヒーヒヒ(笑)」
井上「で?(笑)」
ロンド「その後映画館行って、セクハラする(笑)」
井上「まあ映画館なら真っ暗だからね
ってコラ(笑)」
ロンド「イヒヒイイヒヒ(引き笑い)」
井上「ロンドもいい加減もう27なんだから
彼女作りなよ」
ロンド「井上は彼女と最近どうなの?(笑)」
井上「まあうまくやってるよ(笑)」
ロンド「セックスとかは?」
井上「それ言いたいだけでしょ?(笑)」
ロンド「イヒヒイーイイヒヒイイイイ(引き笑い)」
井上「今どき音楽やっててオーディエンスを
あれだけ沸かせてて
下ネタにそれだけ興味持ってて
なんでまた?」
ロンド「タイミングかな(笑)」
井上「そこまで来たら守り通した方がいいよ(笑)」
ロンド「そうかな(笑)
ってことで(笑)」
ロンドがパソコンの電源を切って
立ち上がって歩き出す。
井上「どこ行くの?」
ロンドがベッドに入る。
ロンド「お休み(笑)井上(笑)」
井上が部屋の中央に立ちすくんでベッドに入り込んだロンドを見つめる。
ロンドがのび太くん並みのスピードで寝息につく。
井上「ってか俺の名前井上じゃねぇーし!!」
音楽 第五話
○大森駅改札口
たくさんの人で行き交っている大森駅。
みっくぃが柱にもたれながら駅を行き交う人々を
目を白黒させながら見ている。
みっくぃ「さすが乗り換えが無い駅では
利用率が日本一の駅だなぁ」
みっくぃの前を人が多数通り過ぎる。
みっくぃがため息を一つ吐いて腕時計をチラッと見る。
みっくぃがアイドルっぽく手を後ろに組んで
何も無い地面を蹴り上げて。
みっくぃ「遅いなぁ。。。
まさか。。。」
みっくぃの顔にちびまる子ちゃんがショックを受けた時にでる
縦線が入る。
男の声「ごめん(笑)待った?(笑)」
みっくぃが瞬時に笑顔に変わって
みっくぃの周りにお花畑が出現して
新庄並みの笑顔で振り返る。
みっくぃ「ううん(笑)全然(笑)」
みっくぃの隣で待ちぼうけをしていた女の子「ううん(笑)全然(笑)」
同時にとびっきりの笑顔で振り返る二人。
みっくぃの前に全然知らないイケメンが手を振って歩いている。
イケメンが冷たい顔でみっくぃのとびっきりの笑顔を見つめる。
イケメン「…」
みっくぃ表情が急速に曇る。
イケメンにみっくぃの隣にいた女の子が近づいて
イケメンと腕を組む。
女の子「行こっ(笑)」
イケメン「あっああ」
イケメンがみっくぃの顔をチラッと見てから女の子に引っ張られるように
歩き出す。
女の子がイケメンに対してとびっきりの笑顔を見せてから
みっくぃの方に振り返って
亀田なみのメンチを切る。
イケメンがチラッとみっくぃを見て。
イケメン「俺あんな子待たせてったっけ?」
女の子「しらない(笑)」
女の子が勝ち誇った笑顔をみっくぃに見せて改札に歩き出す。
みっくぃ「カチーン」
みっくぃが亀田父並みのメンチを切りながらイケメンたちに近づいていく。
みっくぃの肩に手が置かれる。
みっくぃが肩に置かれた手を払いのける。
みっくぃ「お前がオムツはけちゅーんじゃコラ!!」
みっくぃが後ろを振り返るとロンドが大爆笑をしている。
ロンド「イヒヒイヒヒヒヒイイイ(引き笑い)」
みっくぃがロンドのあまりにも楽しそうな顔につられて笑い出す。
みっくぃ「うふふふふふふうふううふ(笑)」
大森駅の雑踏の中みっくぃとロンドの笑い声が響く。
音楽 第六話
○大森駅東口階段〜階段下(朝)
みっくぃとロンドが大笑いしながら階段を下りていく。
二人の目の前にバス乗り場が広がっている。
みっくぃが顔をキョロキョロさせてバス停を探す。
みっくぃ「えーっと品川水族館行きは。。。」
ロンドがみっくぃの顔を見て。
ロンド「バスなんかじゃ行かないよ(笑)」
みっくぃがえっ!?って顔をする。
みっくぃ「バスじゃなかったら何で行くの?」
ロンド「ここまでマイカーで来ちゃったからさ(笑)」
みっくぃ「そうなの(笑)」
ロンド「ちょっと待ってて(笑)今持ってくるから(笑)」
みっくぃ「うん(笑)」
みっくぃがウキウキした表情で待っている。
○大森駅東口階段下(朝・みっくぃの妄想)
みっくぃが壁にもたれて何もない地面を蹴りながら
下を見ている。
みっくぃ半笑い。
ロンドの声「みっくぃ!(笑)お待たせ(笑)」
みっくぃが満面の笑みで顔を上げる。
みっくぃ「全然(笑)」
ロンドが真っ赤なフェラーリのオープンカーに乗って
さわやかな笑顔を見せている。
ロンドの周りに花びらが舞い散って
ウサギさんやらクマさんやら小鳥さんやらが飛び交っている。
通行人がひそひそと。
通行人A「素敵☆」
通行人B「素敵な殿方★」
通行人C「素敵なご婦人☆」
みっくぃとロンドが手をつないで笑いながらお花畑の中を回り出す。
みっくぃ「ウフフフウウウウフウフ(笑)」
ロンド「イヒイヒヒイヒ(笑)」
○大森駅東口階段下(朝)
壁にもたれかかったみっくぃがブンブンと顔を左右に振る。
みっくぃ「ないないない。
第一、フェラーリってキャラじゃないし」
○大森駅東口階段下(みっくぃの妄想・朝)
みっくぃが壁にもたれている。
ロンドの声「みっくぃ!!(笑)お待たせ!!(笑)」
みっくぃが笑顔で顔を上げる。
みっくぃ「全然待ってないよ(笑)」
みっくぃの目の前にハーレーダヴィットソンを
ブルンブルン言わせたロンドがやってくる。
ロンド「お待たせ(笑)」
ロンドがサングラスをかっこよく外す。
○大森駅東口階段下(朝)
みっくぃが壁にもたれながら。
みっくぃ「ないないない(笑)
ハーレーって(笑)」
みっくぃの肩をポンポンと叩く手。
みっくぃが顔を上げる。
笑顔のロンドがいる。
ロンド「行こうよ(笑)」
みっくぃが辺りをキョロキョロする。
辺りはタクシーとバスがいっぱい止まっている。
ロンド「こっちだよ(笑)こっち(笑)」
ロンドが手招きする。
ロンドが手招きした先にママチャリが置いてある。
みっくぃ「マイカーって。。。」
ロンドがうれしそうにママチャリを引っ張ってきながら。
ロンド「これが俺のマイカーだよ(笑)
さあ(笑)」
ロンドがママチャリの荷台を指し示す。
みっくぃ「でも。。。」
みっくぃが足下を見る。
みっくぃはひらひらでヒダヒダがたくさんついたスカートをはいている。
ロンドがただひたすらに笑ってみっくぃを見つめている。
ロンド「俺免許無いんだよね(笑)」
みっくぃが笑顔で。
みっくぃ「何でも無い(笑)」
みっくぃがママチャリの荷台に横向きにちょこんと座る。
ロンド「行こうか(笑)」
みっくぃ「うん(笑)」
ロンドがママチャリをこぎ始める。
みっくぃがロンドの腰に手を回してギュッとする。
○道(朝)
ロンドがみっくぃを乗せた自転車をこぐ。
みっくぃ「なんかこういうのもいいなぁ」
ロンドが後ろをチラッと見て。
ロンド「何か言った?(笑)」
みっくぃ「なんにも言ってないよ(笑)」
ロンド「そう(笑)」
ロンドが前を向いてママチャリをこぎ始める。
みっくぃがロンドの腰をぎゅってする。
ロンド「みっくぃ(笑)」
みっくぃが顔を上げてロンドの顔を見つめる。
みっくぃ「ん?」
ロンド「おっぱい当たるよ(笑)」
みっくぃ「エロス(笑)」
ロンド「イヒヒイイヒヒヒ(笑)」
ロンドが笑顔で前を向いてママチャリをこぎ始める。
みっくぃが笑顔でロンドの腰をぎゅってする。
音楽 第七話
○品川水族館・外
みっくぃが軽くスキップしながら水族館から出てくる。
ロンドが大きくあくびをしながら出てくる。
みっくぃがピョンとその場で飛んで
空中で一回転してロンドの方を見て笑顔で。
みっくぃ「楽しかったね(笑)」
ロンドが慌ててあくびをかみ殺して、目に涙をいっぱいためて。
ロンド「う、うん(笑)」
みっくぃがロンドの顔に顔を近づけてじっとロンドの顔を見つめる。
ロンド「な、何よ(笑)どうしたのよ?(笑)みっくぃ(笑)」
ロンドがたじろいで一歩後ずさりする。
○ロンド家・ロンドの部屋(深夜・回想)
ロンドがベッドで寝息を立てている。
井上が叫んでいる。
井上「ってか俺の名前井上じゃねぇーし!!」
井上が壁に掛かっている時計を見上げる。
時計は12時を指している。
井上がサッと顔をロンドの方に向けて。
井上「まだ寝るの早えーじゃん!!(笑)」
ロンドがベッドで寝息を立てている。
井上がロンドを寂しそうに見つめる。
ロンドが幸せそうな表情を浮かべながら寝息を立てている。
井上ががっくりと肩を落としてロンドに背を向けて
一歩、二歩と歩き出して。
くるりとロンドの方に顔を向けて。
井上「のび太くんかよ!!」
ロンドが幸せそうな表情で寝息を立てている。
井上が寂しそうにロンドに背を向けて
壁際に置いてあるエレキギターに向かう。
井上がアンプにギターを接続して
ロンドに背を向けてギターの弦をはじく。
ギターの音「ジャーン」
井上が慌ててアンプの音量を下げてロンドの方に振り返る。
ロンドは幸せそうに寝息を立てている。
井上「ふー」
井上がギターを鳴らし出す。
ギターの音「ベベベン♪ベベン♪ベベベベン♪」
井上の奏でるギターから音符が浮き上がって
宙に浮かぶ。
音符が楽しそうに宙に浮かんで部屋中に広がる。
井上が楽しそうにギターをかき鳴らす。
ギターの音にベースの音が加わって来る。
井上が後ろを振り返ると
笑顔のロンドがベースを弾いている。
ロンド「イヒイイヒヒヒイイ(笑)」
ロンドがパソコンの電源をつけて
パソコンからドラムの音を出す。
井上が笑い出す。
井上「エヘエヘエヘ(笑)」
ロンドが笑い出す。
ロンド「イヒイイヒヒヒッヒイイ(笑)」
井上が肩でリズムを取ってギターをかき鳴らす。
ロンドが歌い出す。
ロンド「ありがとう♪サンキュー♪シェイシェイ♪」
井上がハモり出す。
ロンド&井上「ありがとう♪サンキュー♪シェイシェイ♪」
全力で歌う二人。
時計の針が四時を指している。
○品川水族館・外
みっくぃがロンドの顔に近づいてジッとロンドを見つめている。
ロンドが後ずさりする。
みっくぃが笑って。
みっくぃ「何泣いてるの?(笑)
そんなに良かった?(笑)」
ロンドが笑顔で。
ロンド「ちょっとイルカショーに感動しちゃってさ(笑)」
みっくぃ「何それ?(笑)変なの(笑)
あっ!」
みっくぃが腕時計を見て。
みっくぃ「映画始まっちゃうよ(笑)
行こっ(笑)」
みっくぃが手招きして歩き出す。
ロンドがみっくぃの後に笑顔で付いていく。
ロンド「そうだね(笑)」
みっくぃがロンドに見えないように軽くため息をつく。
音楽 第八話
○平和島ビックファン・前
ロンドが運転するママチャリの後ろにみっくぃが乗って
ビックファンの駐輪場に入っていく。
○同・映画館前・ロビー
ロンドがロビーに張ってある映画のポスターを見つめる。
みっくぃがロンドの後からついてきて
映画館の中を見渡す。
ロンドが後ろのみっくぃを見て。
みっくぃが辺りを見回して同時に。
ロンド「何見るの?(笑)」
みっくぃ「ずいぶんすいてる映画館だね」
ロンドが笑い出す。
ロンド「イヒヒヒイイイヒヒヒ(笑)」
みっくぃがロンドの笑顔を見て笑い出す。
みっくぃ「うふふふふうううふう(笑)」
○同・映画館・中
みっくぃとロンドが映画館の中央に座っている。
みっくぃが辺りを見回す。
みっくぃ「中もだれもいないのね(笑)」
ロンド「セクハラし放題だね(笑)
イヒヒヒヒイ(笑)」
みっくぃ「まじ!ふぁっく!!(笑)
ロンド「イヒヒヒイ(笑)」
場内が暗くなる。
みっくぃ「ほら!始まるよ(笑)」
みっくぃがロンドのTシャツを引っ張ってロンドをスクリーンに向かせる。
ロンドがスクリーンを見る。
ロンド「あっ!(笑)来た来た!(笑)」
スクリーン上では映画の予告編が始まっている。
みっくぃ「来たね(笑)」
ロンド「俺たちだけじゃ無かったね(笑)」
ロンドが出入り口を見つめている。
みっくぃがロンドの見つめている方を見る。
両手にバケツみたいなポップコーンを抱えたカップルが場内に入ってくる。
みっくぃ「あっちね(笑)」
スクリーンから壮大な音楽が流れる。
ロンド「ヘイ♪ヨウ♪(笑)」
音楽に合わせてロンドがラップを全身で音楽に乗って歌い出す。
みっくぃがロンドを見つめて。
みっくぃ「ちょっと何してるのよ(笑)」
スクリーンでは感動的なシーンが流れている。
× × ×
みっくぃがジーッとスクリーンを眺めている。
スクリーン上では男同士が討論している。
みっくぃがチラッと隣のロンドを見つめる。
ロンドが健やかな顔で寝息を立てている。
みっくぃが深いため息をつく。
みっくぃ「ふー」
× × ×
場内でで壮大な音楽が流れ出す。
ロンドがパッと目を開く。
スクリーン上で車が大爆発して炎上している。
ロンドがみっくぃに向かって。
ロンド「すごいね(笑)」
みっくぃ「うん」
ロンド「痛そうだね(笑)」
みっくぃ「う、うん(笑)」
みっくぃがこれからいいところなのに声かけるなよって顔を
一瞬する。
ロンドがちょっと悪い事したかなって顔を一瞬してから
スクリーンを集中して見る。
みっくぃがスクリーンのストーリーに集中しようとする。
みっくぃの視界に肩でリズムを取っているロンドの姿が見える。
ロンド「へい♪よー♪ちぇけらっちょ♪(笑)」
ロンドがスクリーンのシーンとは全く関係ない
ラップを楽しそうに歌っている。
みっくぃがロンドを見つめて笑顔になる。
○同・マクドナルド
みっくぃとロンドが窓際のカウンター席に並んで
食事をしている。
ロンド「映画おもしろかったね(笑)」
みっくぃ「寝てたじゃん(笑)」
ロンド「ばれた?(笑)
イヒイヒヒヒイイ(笑)」
みっくぃ「うふふふ(笑)」
ロンド「でも一曲出来ちゃったよ(笑)」
みっくぃが驚いた顔をして。
みっくぃ「あの映画を見てる間に?」
ロンド「うん(笑)」
みっくぃがロンドをつま足の先から頭のてっぺんまで眺めて。
みっくぃ「ロンドは本当に音楽が好きなのね?(笑)」
ロンド「うん(笑)好きだよ(笑)
ノーライフ・ノーミュージックだよ(笑)」
みっくぃ「逆だよ(笑)」
ロンド「イヒイイイヒヒイ(笑)」
みっくぃが笑顔からまじめな顔に戻って。
みっくぃ「ねぇ。聞いていい?」
ロンド「何?(笑)」
みっくぃ「何でロンドは音楽やってるの?」
ロンドがまじめな顔をして。
ロンド「じゃあ何でみっくぃは音楽聞くの?」
みっくぃ「それは。。。。
何でだろ?(笑)」
ロンド「それと一緒だよ(笑)」
みっくぃ「何となくわかったようなわからなかったような(笑)」
みっくぃがロンドに向かって微笑む。
みっくぃ心の声「初めて真剣な顔で私に話しかけてくれたことが
なんだか
妙にうれしかった」
音楽 第九話
○道
ロンドが自転車を押してその隣をみっくぃが歩いている。
みっくぃ「ねえ」
ロンド「ん?(笑)」
みっくぃ「何で歩いてるの?
乗せてってよ(笑)」
ロンド「運動だよ(笑)」
しばらく、ロンドとみっくぃが並んで歩く。
ロンド「この後どうする?(笑)」
みっくぃ「どうしようか?(笑)」
ロンド「ウチくる?(笑)」
みっくぃ「行く行く(笑)」
みっくぃが抜群の笑顔をロンドに見せる。
○ロンド家・前
3階建てだか4階建てのでっかい一軒家。
みっくぃが家を見上げる。
みっくぃ「(小声で)でけー」
ロンド「何か言った?(笑)」
みっくぃが首を左右にブルンブルンと振りながら。
みっくぃ「何にも言ってないよ(笑)」
ロンドが自転車をその辺に止めてから
みっくぃの元にやってきて。
ロンド「まあ入ってよ(笑)」
みっくぃがコクリとうなずく。
○同・玄関・中
みっくぃが扉を少し開けて中に顔を突っ込んで恐る恐る。
みっくぃ「おじゃましまーす」
家の中からは音がしない。
ロンドが扉を思いっきり開けて家の中に入る。
ロンド「まあ入ってよ(笑)」
みっくぃがロンドの後について家の中に入っていく。
みっくぃ「おじゃましまーす」
ロンド「誰もいないよ(笑)」
みっくぃ「じゃあ何で家の鍵が開いてるのよ」
ロンド「家鍵閉めないんだよ(笑)」
みっくぃ「なんだそれ(笑)」
○同・階段
ロンドが階段を猫の様に手足を器用に使って
上っていく。
みっくぃ「ちょ、ちょ待ってよ」
みっくぃが猫の様に階段を上っていく。
○同・ロンドの部屋
ロンドがパソコンの前の椅子に腰掛けている。
ロンド「まあ楽にしてよ(笑)」
みっくぃが部屋中を見回しながら。
みっくぃ「ねえ、お父さんって何してる人なの?」
ロンド「何か会社やってるよ(笑)」
みっくぃ「お母さんは?」
ロンド「母ちゃんも何か会社みたいのやってるよ(笑)」
みっくぃがきれいで広い部屋を眺めながら。
みっくぃ「ロンドは会社継がないの?」
ロンド「まあね(笑)」
○同・リビング(回想)
「ロンド9歳」
ロンド(9)がランドセルを背負ってリビングに入ってくる。
ロンド「ただいま(笑)」
キッチンからお手伝いさんが出てくる。
お手伝いさん「坊ちゃんお帰りなさいませ(笑)
お食事が出来てますよ(笑)」
ロンドがその場で飛び跳ねて。
ロンド「わーい(笑)」
ロンドが机の上に置いてある食事に手をつける。
ロンド「頂き(笑)」
お手伝いさん「坊ちゃん!手を洗ってからですよ!」
ロンド「へっへ(笑)」
× × ×
辺りはすっかり暗くなっている。
ロンドがソファーで寝息を立てている。
お手伝いさんが毛布を持ってきてロンドにそっとかける。
お手伝いさん「(小声で)時間だから帰りますね(笑)
お休みなさい(笑)」
お手伝いさんが部屋を出て行く。
ロンドが寝言で。
ロンド「お母さん。。。」
○同・ロンドの部屋(回想)
「ロンド14歳」
ロンドが部屋で下手ながらも楽しそうにギターをかき鳴らしている。
○同・ロンドの部屋
ロンドがパソコンの前の椅子に腰掛けながら笑顔で。
ロンド「みっくぃは足早い?(笑)」
みっくぃ「何よ(笑)急に(笑)
まあまあ早いわよ(笑)」
ロンド「全力疾走ってしたことある?(笑)」
みっくぃ「あるに決まってるじゃん(笑)」
ロンド「全力疾走してる時って何考えて走ってる?(笑)」
みっくぃが難しい顔をして。
みっくぃ「んー」
ロンド「なんも考えて無いんだよ(笑)
走ることしか考えてないんだよ(笑)」
みっくぃ「そうかもね(笑)」
ロンド「音楽の事しか考えられないんだよね(笑)
俺。今、全力疾走してるからさ(笑)」
ロンドが微笑む。
音楽 第十話
○ライブ会場・中(夜)
ロンドがスタンドマイクに近づいて。
ロンド「どうもー(笑)
ざ・パパイヤーンでーす(笑)」
オーディエンスが騒ぎ出す。
オーディエンス「きゃー!!(悲鳴)
ロンドー!!(悲鳴)」
ロンドが照れ笑いを浮かべる。
ロンド「イヒイイヒイヒ(笑)」
オーディエンス「かわいいー」
オーディエンスに混じってみっくぃが誇らしげな表情を浮かべて、
オーディエンスたちを軽く見下すように見る。
みっくぃ心の声「私はあなたたちと違うのよ(笑)」
みっくぃが鼻で笑う。
ロンド「それでは最後に【ろーどらんなー】って曲やります」
オーディエンス「キャー!!(悲鳴)」
ドラムとギターの音が響く。
みっくぃがオーディエンスに押されていく。
みっくぃ「ちょっと、ちょっと、ちょっとちょっと。。。」
ロンド「前を向いてはしーる♪」
オーディエンス「オイ!オイ!オイ!」
みっくぃがオーディエンスの真ん中にいたのに
いつの間にか後ろに来ている。
みっくぃがTシャツに付いてもいないホコリを
手でパンパンとはたいて。
みっくぃ「失礼しちゃうわよね」
ロンド「脇目もふらずに♪」
みっくぃがうっとりとロンドの熱唱している姿を見つめる。
舞台脇に井上が必死な顔をして携帯電話を片手に何かを叫んでいる。
ロンドはスタンドマイクに口をつけて目をつぶって熱唱している。
井上「×××ー!!!×!!!」
井上が何かを叫んでいるがバンドの音にかき消されてしまう。
曲が間奏に入ってベースのソロが入る。
ロンドが脇に行って置いてあるペットボトルを手にとって
水を飲む。
井上がロンドに駆け寄る。
ロンドが井上に気がつき。
ロンド「やぁ井上(笑)」
井上「ってか俺の名前井上じゃねーし(笑)」
ロンド「どうしたの?(笑)」
ステージ上でベースが気持ちよさそうにソロを弾いてる。
ロンドがチラッとベースを見る。
ロンド「じゃあ後でね(笑)」
ロンドがステージに戻ろうとする。
井上がガシッとロンドの腕を掴む。
井上「ロンド!!」
ロンド「ちょっと!ちょっと!ちょっとちょっと!(笑)」
井上がロンドの耳元に口を近づけて耳打ちをする。
客席のオーディエンスがざわつき始める。
オーディエンス「ベースソロってこんな長かったっけ?」
オーディエンス「ライブバーションじゃない?(笑)」
ベースが困った顔をしてステージ脇を見る。
井上の耳打ちを聞いているロンドの顔色が悪くなっている。
ドラムがドラムを叩きながらステージ脇を見て。
ドラム「おい!ロンド!!」
オーディエンス「何か様子おかしくない?
ロンド出てこねーし(笑)」
みっくぃが心配そうな顔をしてステージ上を見つめる。
みっくぃ「ロンド。。。」
ロンドがギターをかき鳴らしながら笑顔でステージ上に出てくる。
ロンド「ろ♪ろ♪ろ♪ろーどらんなー♪(笑)」
オーディエンスが騒ぎ出す。
オーディエンス「キャー!!オイ!オイ!オイ!」
曲が終わる。
ロンド「どうも!ザ・パパイヤーンでした(笑)」
ロンドが笑顔で手を振ってステージ上を後にする。
ステージ上の照明が落ちる。
ロンドがステージ脇にいる井上に走り寄っていく。
井上「ロンド!ほら!」
井上が携帯をロンドに投げる。
ロンドが携帯を受け取る。
井上「電話つながってるからな!」
ロンド「さんきゅー(笑)井上(笑)」
井上「おう(笑)」
井上が楽屋に駆け込むロンドの後ろ姿を見つめて叫ぶ。
井上「ってか俺の名前井上じゃねーし(笑)」
会場はまだざわついてる。
どこからともなくオーディエンスの声が響く。
オーディエンス「…コール!アンコール!アンコール!」
アンコールの大合唱になる。
みっくぃが叫ぶ。
みっくぃ「アンコール!アンコール!」
アンコールの大合唱が続いているがステージ上は真っ暗なまま。
みっくぃが人混みをかき分けて会場の後ろに出て行く。
みっくぃ「ふう」
みっくぃが軽くため息をついて上を見上げると。
【STAFF ONLY】と書かれたドアがある。
みっくぃ「ある意味私もそうよね(笑)」
みっくぃが一人で納得したようにうなずくとドアを開けて中に入っていく。
○同・楽屋・前
みっくぃが楽屋の前で扉に手をかけようとする。
みっくぃ「大丈夫(笑)大丈夫(笑)
前行ったときも別に大丈夫だったじゃない」
みっくぃがうなずいてドアノブを回そうとすると
ドアノブが回って中から人が出てくる。
みっくぃが反射的に通路の陰に隠れる。
楽屋からロンドが携帯電話を手に出てくる。
ロンド「何で黙ってたんだよ!!」
みっくぃが壁にへばりついて聞き耳を立てている。
ロンドが暗い表情で。
ロンド「そんな。。。
じゃあ知らなかったのは俺だけだったのかよ。。。
うん。
解った。
すぐ行く」
ロンドが携帯電話をズボンのポケットにしまって走り出す。
みっくぃの前を井上が通り過ぎる。
井上「おい!ロンド!待てよ!」
ロンドが走り去って行く。
井上が誰もいなくなった通路に向かって。
井上「それ!俺の携帯!おい!いい加減自分の携帯持てよ!」
みっくぃが井上を見て笑って。
みっくぃ「携帯持ってかれちゃったんですね(笑)」
井上「みたい(笑)」
みっくぃ「ウフフフウッフウウウフ(笑)」
井上「エヘヘヘヘヘエヘヘヘヘ(笑)
…
ってか君誰?」
みっくぃと井上が見つめあう。
音楽 第十一話
○病院・外観(夜)
最新設備が揃ってそうな立派な病院
○同・病室(夜)
ロンドが病室のベッド脇の椅子に深刻そうな顔をして座っている。
ロンドがベッドで寝ている人の手を握って。
ロンド「父ちゃん。。。」
父ちゃん(57)がゆっくりと目を見開いて。
父ちゃん「おお、息子(笑)」
ロンドが辺りを見回す。
ロンド「母ちゃんは?」
父ちゃん「ああ、さっきまでいたんだけどな(笑)
明日大事な会議があるとか無いとか(笑)」
父ちゃんが時折辛そうな表情を浮かべながら微笑む。
ロンド「父ちゃん!井上から聞いたよ!何で黙ってたんだよ!」
父ちゃん「そうかあ(笑)井上君から聞いたのかぁ(笑)」
ロンド「うん!」
父ちゃんが遠くを見つめながら。
父ちゃん「父ちゃんさ。息子には言わなかったけど
昔、バンドやってたんだよ(笑)」
ロンドが驚いた顔をして。
ロンド「そうなの!(笑)」
父ちゃん「俺はバンドではギターボーカルでさ(笑)」
ロンド「俺と一緒じゃん(笑)スリーピースなんだ(笑)」
ロンドがうれしそうに話しに食いついていく。
父ちゃん「そうだよ(笑)
こう見えても結構人気あったんだぞ(笑)
追っかけなんかもいたりなんかしてさ(笑)」
ロンド「そうなんだ!!(笑)」
父ちゃん「レコード会社からなんかも声がかかったりしてな(笑)」
ロンド「父ちゃん!(笑)すげーじゃん(笑)」
父ちゃん「ま、断っちゃたんだけどな(笑)」
ロンド「なんで?なんで?もったいないじゃん?」
父ちゃん「ま、俺らの求める条件じゃなかったんだよ(笑)」
ロンド「父ちゃん!かっこいい(笑)」
看護婦さんが病室に入ってくる。
看護婦「お取り込み中大変申し訳ございません。
そろそろ面会時間の方が。。。」
ロンドが焦った表情を浮かべて。
ロンド「そ、そんな!今来たとこ。。。」
父ちゃん「すいません。今出ますから(笑)」
看護婦「はい(笑)」
ロンドが焦って父ちゃんを見つめて。
ロンド「父ちゃん!そんな!!」
看護婦が焦った表情を浮かべる。
看護婦「い、いいんですか?」
父ちゃん「いいんですよ(笑)」
父ちゃんがニッと抜群の笑顔を見せる。
○同・外(夜)
ロンドが寂しく歩いている。
ロンドの前に人影が現れる。
女の人の声「息子!!」
ロンドが顔を上げる。
ロンド「母ちゃん!(笑)」
ロンドが笑顔になる。
ロンドの前に母ちゃん(54)が笑顔で立っている。
母ちゃん「あら息子(笑)どうしたの(笑)」
ロンド「それはこっちの台詞だよ(笑)」
母ちゃん「母ちゃんは病院に行く所よ(笑)
息子は?(笑)」
ロンド「俺は病院から帰る所よ(笑)」
母ちゃんが病院を見上げる。
母ちゃん「そう(笑)
父ちゃんどうだった?(笑)」
ロンド「何か元気そうだったよ(笑)
今までに見たこと無い笑顔見せちゃってさ(笑)
なんか心配して損しちゃったよ(笑)」
母ちゃんがロンドを真剣な顔で見て。
母ちゃん「今までに見せたことの無い笑顔って言った?
今?」
母ちゃんがロンドの両肩に手を置いてロンドを激しく揺さぶる。
ロンド「い、言ったけど。。。」
母ちゃん「そうなの。。。」
母ちゃんが深いため息をつく。
ロンド「な、なんだよ」
母ちゃんがニッとしてロンドを見つめる。
母ちゃん「父ちゃんこんな顔してた?」
ロンド「イヒヒイヒヒイイ(笑)
してた(笑)してた(笑)」
母ちゃんがロンドに背を向ける。
母ちゃん「そうなの。。。
あの人ったら変わってないんだから」
ロンドが母ちゃんの前に回り込んで、母ちゃんの顔を見る。
ロンド「いったいどうしたって言うんだ。。。」
ロンドが母ちゃんの顔を見て
愕然とした表情を浮かべる。
ロンド「母ちゃん。。
何で泣いてるんだよ」
母ちゃんがロンドに背を向けて
鼻をすする。
母ちゃん「父ちゃんったら。
全然変わってないのね」
母ちゃんが病院を見上げる。
○ライブハウス(回想)
父ちゃんがギターを弾きながら歌っている。
母ちゃんの声「息子には言わなかったけど
父ちゃん、昔バンドをやっててね。
それは凄い人気だったわ」
父ちゃんがビートルズみたいな格好をして
グループサウンズを熱唱している。
母ちゃんの声「父ちゃんたちがライブをやると
すぐにソールドアウト。
ライブになると失神者が続出していたわ」
観客が次々とドミノ倒しの様に失神していって
最後に母ちゃんが神様を祈るような格好で父ちゃんを見つめている。
母ちゃんの声「もちろん母ちゃんも父ちゃんのライブで
一発でノックアウトさせられたわ」
母ちゃんの後ろでジョンレノンが
鞄に忍ばせたカセットテープを操作している。
母ちゃんの声「たまたま日本に遊びに来ていた
ジョンレノンが父ちゃんの作る音に
感動してビートルズを結成したとかしないとか」
ロンドの声「すっげー(笑)」
○病院・外(夜)
ロンドが目を輝かせて母ちゃんの話を聞いている。
ロンド「でもそんなに凄いバンドだったのに何で今やっていないの?(笑)」
母ちゃんが遠くを見つめて。
母ちゃん「倒れたのよ」
ロンド「え!?父ちゃんが?」
母ちゃんがロンドを真剣な表情で見つめて。
母ちゃん「おじいちゃんがよ」
○父ちゃんの家・居間(回想)
遺影が飾られている部屋。
喪服を着た人たちが部屋から出て行く。
父ちゃんがおじいちゃんの顔を見つめている。
母ちゃんがその様子を見つめている。
母ちゃんの声「父ちゃんは長男でね」
母ちゃんの足下に子供が2人指を口にくわえて父ちゃんを見ている。
母ちゃんの声「年のずいぶん離れた兄弟がいたのよ」
母ちゃんが部屋に入っていく。
父ちゃんが足音に気がついて後ろを振り返る。
母ちゃんが悲しそうな顔をしている。
父ちゃんがニッと笑って。
父ちゃん「俺、音楽辞めるわ(笑)」
○病院・外(夜)
母ちゃんがパッと後ろを振り返って。
母ちゃん「それから父ちゃんは音楽の話はしなくなったわ
って言っても父ちゃんはただの疲労で倒れただけ…」
母ちゃんの後ろには誰もいない。
母ちゃんが辺りを見回して。
母ちゃん「あれ?息子?息子?」
○道(夜)
ロンドが走っている。
ロンドのほほを涙がつたう。
ロンドの心の声「俺、音楽続けられるかな。。。」
音楽 第12話
○みっくぃの家・前(朝)
一軒家。
小鳥がチュンチュンと鳴いている。
○同・みっくぃの部屋(朝)
みっくぃがかわいらしいベッドに寝ている。
枕元に置いてある悟空の目覚まし時計が鳴る。
目覚まし時計「オッス!オラ悟空!!
やっべ!もうこんな時間だ!!
オッス!オラ悟空!!。。。」
みっくぃが布団から手を出して悟空の頭を叩く。
目覚まし時計が止まる。
みっくぃがベッドの上でコーラックのCMの様な大きな伸びをする。
みっくぃ「はあぁーあ」
みっくぃがかわいくベッドから降りる。
○マクドナルド・店内(朝)
みっくぃがカウンターで思いっきり笑顔でおばちゃんに頭を下げる。
みっくぃ「いらっしゃいませ(笑)
こちらでお召し上がりですか?(笑)」
おばちゃん「お持ち帰りでスマイル(笑)」
○同・事務所
みっくぃがマックシェイクを飲んでいる。
みっくぃ「プハー(笑)」
みっくぃが事務所内を見回して。
みっくぃ「あれ?そういえば最近前田さん来ないけどどうしたの?」
みっくぃの後輩がドラゴンボールの12巻をおろして。
後輩「ああ、由美子、公演が近いんですってよ」
みっくぃ「公園って?そんな別に公園が。。」
後輩「そっちの公園じゃないですよ。(冷たく)
言わなかったでしたっけ?
由美子、劇団入ってるんですよ」
みっくぃ「そうだったんだ(笑)
だから時々。。」
後輩が腕時計を見て。
後輩「あー!もうこんな時間だ!
みっくぃさんすいません。
自分もう帰ります」
みっくぃ「そんなに焦ってどこ行くの?(笑)」
後輩「ジムですよ」
みっくぃ「ジムって、、、?」
後輩「お先でーす」
後輩が事務所から出て行く。
みっくぃ「ちょっと。。」
みっくぃ一人っきりになった事務所。
みっくぃがため息をつく。
みっくぃ「ふー」
事務所の扉がガチャっと開く。
みっくぃが笑顔で。
みっくぃ「なに?忘れ物でもしたの?」
扉から店長が入ってくる。
店長「忘れ物なんかしてないぞ(笑)」
みっくぃが恥ずかしそうに。
みっくぃ「て、店長」
店長「まだいたのか(笑)」
みっくぃ「まあ(笑)」
店長がみっくぃの隣の椅子に腰掛けて。
店長「この前の話だけど考えてくれたかな?(笑)」
みっくぃがうつむいて。
みっくぃ「もう少し考えさせてください」
店長「そうか(笑)
まあこっちの受け入れ体勢は万全だから
腹が決まったらいつでも声かけてくれよ(笑)
万年人手不足だからさ(笑)」
みっくぃ「はい」
みっくぃが引きつった笑いを店長に見せる。
○みっくぃの部屋(夕)
みっくぃがベッドに寝っ転がって
『とらばーゆ』を読んでいる。
みっくぃがため息をついて『とらばーゆ』をベッドの下に落とす。
○ロンドの部屋(回想)
ロンド「俺。今、全力疾走してるからさ(笑)」
ロンドが微笑む。
○みっくぃの部屋(夕)
みっくぃがベッドに寝っ転がって天井を見つめながら。
みっくぃ「いいなあ。やりたいことがある人は。。。」
音が鳴る。
音「才能を出すのは怖い♪」
みっくぃがベッドから起き上がって携帯電話に出る。
みっくぃ「もしもし」
音楽 第13話
○喫茶店・中(夕)
井上が渋くブレンドコーヒーを飲んでいる。
喫茶店のドアが開く音がする。
ドアの音「カランカランカラン」
井上がドアの方に振り返る。
みっくぃが不安そうな顔で喫茶店に入ってくる。
井上が激しく手を振って。
井上「みっくぃ(笑)こっち(笑)こっち(笑)」
みっくぃが井上の姿を見つけて笑顔になる。
井上が激しく手招きをする。
井上「こっち(笑)こっち(笑)」
みっくぃが井上の近くに来て。
みっくぃ「そんなに呼ばなくってもわかるよ(笑)」
みっくぃが井上の向かいに座る。
井上「よく来たね(笑)ありがとう(笑)」
井上が外を見て。
井上「今日すげー暑いよな(笑)」
みっくぃ「そうね(笑)もう夏だもんね(笑)」
井上「この前なんかさ。。(笑)」
みっくぃが鋭い視線を井上に向けて。
みっくぃ「井上君!!そんなこと話すために私を呼んだの?」
井上の顔から笑顔が消えてうつむく。
みっくぃ「井上君!!」
井上が顔をバッとあげて。
井上「俺の名前は井上じゃねえ」
井上が机をバンッと叩いて立ち上がる。
みっくぃが井上に背を向けてウェイトレスに話しかけてる。
みっくぃ「えーと。オレンジジュースとー
すいません。
このウルトラスペシャルパフェって何が乗っかってるんですか?(笑)」
井上「聞いてないし。。。」
みっくぃが井上の方に笑顔で振り返って。
みっくぃ「で?(笑)」
井上「ふー」
井上が大きなため息をつく。
○道
みっくぃが町を疾走している。
井上の声「ロンドがさ。ロンドがさ。
バンド辞めるって言うんだよ」
みっくぃが通行人にぶつかって転ぶ。
通行人「ちゃんと前向いて歩けや!」
みっくぃがグッと唇をかみしめて起き上がって、
通行人を無視して走り出す。
みっくぃの声「ソロ活動でも始めるの?」
井上の声「違うよ!音楽を辞めるって言うんだよ」
みっくぃが泣きながら走っている。
みっくぃ「辞めちゃだめだよ。
辞めちゃダメだよ」
○喫茶店・中
みっくぃが席を急に立つ。
井上がびっくりした顔をしてみっくぃを見上げる。
みっくぃが井上の前に千円札をドンっと置いて、
出口に向かって走り出す。
井上「おい!みっくぃ!どこ行くんだよ!」
みっくぃがカランコロンと音を立てて喫茶店から出て行く。
井上「俺の本当の名前はな!!」
○ロンドの家の前
みっくぃが顔にいっぱい汗をかいて肩で息をしながら
ロンドの家を見上げる。
みっくぃ「はぁはぁはぁ」
みっくぃ心の声「私なんかがなんて声かけたらいいんだろ?」
○ロンドの部屋(妄想)
ロンドの部屋のドアが開いて
みっくぃが両手を組んで怒りの表情で仁王立ちしている。
ロンドがテレビゲームをしている手を止めて
ドアの方に振り返る。
ロンド「みっくぃ(笑)何してるの?」
みっくぃ「音楽辞めるって聞いたんだけど?」
ロンド「何でみっくぃが怒ってるんだよ(笑)」
○ロンドの家の前
みっくぃが首を左右にブルンブルンと振って。
みっくぃ「何で怒ってるんだよ。私」
男の声「何してるの?(笑)」
みっくぃが振り返るとスーツ姿のロンドが立っている。
みっくぃ「ロンド!」
みっくぃが驚いた表情を浮かべる。
音楽 第14話
○ロンドの部屋
ロンドがクローゼットを開けてみっくぃの方を見て。
ロンド「みっくぃ(笑)ちょっとあっち向いててよ(笑)
着替えるからさ(笑)」
みっくぃ「う、うん」
みっくぃがロンドに背を向けて部屋の中を見回す。
みっくぃが生唾を飲み込んで。
みっくぃ「どうしちゃたのよ?(笑)スーツなんか着ちゃってさ(笑)」
ロンドが着替えながら。
ロンド「自分では似合ってるつもりなんだけど(笑)
どうかな?(笑)」
みっくぃが憮然とした表情で。
みっくぃ「全然似合わないよ!全然!」
ロンドが寂しそうに。
ロンド「そうかな…(笑)」
みっくぃ「(小声で)らしくないよ」
ロンド「ん?(笑)みっくぃ何か言った?(笑)」
みっくぃがほっぺたをプイッとふくらませて。
みっくぃ「なんにも言ってないよ!」
二人の間にしばしの沈黙が流れる。
ロンド「お待たせ(笑)」
ロンドがみっくぃの前に笑顔で顔を出す
みっくぃがロンドの全身を見つめる。
ロンドが汚いTシャツと短パンに着替えて笑顔で立っている。
みっくぃがロンドの格好を見て一瞬笑顔になるが
すぐに顔をそっぽ向ける。
みっくぃ「別に待ってないよ!」
ロンドがみっくぃの顔の前に顔を笑顔で出して。
ロンド「ところでみっくぃ今日はなんの用なの?(笑)」
みっくぃが顔をそっぽ向けて。
みっくぃ「用が無かったら来ちゃダメなの?」
二人の間にしばしの沈黙。
みっくぃとロンドが顔を見合わせて同時にしゃべり出す。
みっくぃ「何でおんがくやめ…」
ロンド「俺、実は…」
みっくぃ「何よ?(笑)」
ロンド「みっくぃこそ?(笑)」
お互いに譲り出す。
みっくぃ「今何か言いかけたでしょ?(笑)」
ロンド「みっくぃも何か言いかけたじゃん(笑)」
みっくぃが手をロンドに差し出して。
みっくぃ「お先どうぞ(笑)」
ロンドがうなずいて。
ロンド「俺さ、実は他にやりたいこと見つかったんだ(笑)」
ロンドがニヤっと笑う。
みっくぃ「他にって?なんの他に?」
みっくぃが生唾を飲み込む。
ロンドが生唾を飲み込んでみっくぃに背を向けて。
ロンド「お、音楽さ(笑)」
みっくぃ「バ、バンドはどうするのよ?」
ロンドがみっくぃの方に笑顔で振り返って。
ロンド「俺は抜けるよ(笑)
俺の代わりなんかいっぱいいるよ(笑)」
みっくぃがロンドをにらみつける。
みっくぃ「それ、ほ、本気で言ってるの?」
ロンドがニヤッと笑って。
ロンド「まあね(笑)
大体俺なんか全然音楽の才能なんて無いし(笑)
下手の横好きって奴だよ(笑)
CDだって最初の頃に出した奴がちょっと売れただけだし(笑)
2チャンネルで俺らの事なんて言われてるか知ってる?(笑)
一発屋だよ(笑)
よく考えてみるとそれもそうだよね(笑)
だって実際売れたCDなんかそれだけだし(笑)
歌だってそんなにうまくないしさ(笑)
くだらない音楽ばっかり作ってるしさ(笑)」
みっくぃがロンドのほっぺたに思いっきりビンタをかます。
ロンドが吹っ飛ぶ。
みっくぃ「なに勝手な事言っちゃってるのよ!」
ロンドがほっぺたを押さえながら起き上がる。
ロンド「イタタタタ。みっくぃ(笑)何するんだよ(笑)」
みっくぃ「何へらへらしてるのよ!
それじゃあ、それじゃあ」
みっくぃが涙ぐむ。
みっくぃ「あなたの言うくだらない音楽で
感動した
生きる勇気をもらった
そんな人たちはどうなるのよ!
音楽やるのは勝手だけどやるなら
ちゃんと最後まで責任もってよね!!」
ロンド「みっくぃ…」
みっくぃがロンドの部屋を飛び出す。
○道
みっくぃが疾走している。
みっくぃの心の声「自分でも解っていた
勝手なことを言っているのは
自分の方だと。。。
でも。。。
でも。。。」
みっくぃのほほを涙がつたう。
○ロンドの部屋
ロンドが背を向けてむせび泣いてる。
ロンドの嗚咽が部屋に響く。
音楽 第15話
○マクドナルド・店内
みっくぃが笑顔でお辞儀をしている。
みっくぃ「いらっしゃいませ(笑)
こちらでお召し上がりでいらっしゃいますか?(笑)」
○同・事務所
バイトたちが騒いでいる。
携帯のバイブ音が鳴る。
バイト1「誰か携帯鳴ってねえ?」
バイト2「俺じゃねえよ(笑)」
『みっくぃの!開けるな!危険!』と書いてあるロッカーがある。
ロッカーの中にあるみっくぃの鞄の中にある
携帯電話がブルっている。
携帯電話のディスプレイに『着信 井上』と出ている。
○同・店内
店内が混み合っている。
みっくぃが笑顔で手を挙げて。
みっくぃ「お次お並びのお客様こちらへどうぞ(笑)」
みっくぃの前の列に男が並ぶ。
みっくぃの後ろに高校生バイトが近づいてきて。
高校生バイト「みっくぃさんこれってお持ち帰りですか?」
みっくぃが後ろを振り返り。
みっくぃ「伝票に書いてあるでしょ!
お召し上がりよ!
何、袋詰めしてるのよ!」
高校生バイトが頭を下げて。
高校生バイト「みっくぃさん!すいません」
高校生バイトが急いでバックヤードエリアに戻って
袋からハンバーガーを取り出してトレイに置き出す。
みっくぃがその様子を見て深いため息をつく。
みっくぃ「ふうー」
男の声「すいません。今オススメってなんですか?」
みっくぃがカウンターに笑顔で振り返って。
みっくぃ「はい(笑)今ですとこちらの…」
みっくぃの目の前に笑顔で井上が立っている。
井上「えへへへっへえへ(笑)」
みっくぃ「井上。。。」
○同・事務所
みっくぃが私服に着替えて更衣室から出てくる。
バイト1がにやにやしながらみっくぃに近づいてきて。
バイト1「みっくぃさん(笑)
さっきのこれっすか?(笑)」
バイト1が親指を笑顔で突き立てる。
みっくぃがバイト1の差し出した親指を払いのけて。
みっくぃ「何言ってんのよ!違うわよ!」
ドアがガチャリと開いて店長が笑顔で入ってくる。
店長がみっくぃに近づいて。
店長「言ってくれればいいのに(笑)」
みっくぃが不思議そうな顔をして。
みっくぃ「は?」
店長「君が社員になる話を断ってる理由がわかったよ(笑)」
みっくぃ「なんなんですか?」
店長「あんないい男を捕まえたらな(笑)」
○マクドナルド・店外
井上が看板に背をもたれさせてたばこを吸っている。
○同・事務所
みっくぃがほくそ笑んでいる店長を押しのけて。
みっくぃ「違いますから!
そんなんじゃ無いですから!
お先に失礼します!」
みっくぃが頭を下げて事務所を出て行く。
店長がバイトの顔を見回す。
店長「別に秘密にすることないのになぁ(笑)」
○喫茶店・中
みっくぃと井上が向かい合わせで座っている。
井上はニコニコしている。
みっくぃはほっぺたをふくらませている。
みっくぃ「あんたストーカー?」
井上が飲んでいたミックスジュースを吐き出して。
井上「ブハー!みっくぃは唐突だな」
みっくぃがおしぼりで机を拭きながら。
みっくぃ「ちょっと、汚いんですけど」
井上「ごめんごめん(笑)」
みっくぃ「で?」
井上「で?って
こっちの台詞だよ(笑)」
みっくぃが冷たく。
みっくぃ「私の台詞でしょ?」
井上がたばことライターをゆっくりと鞄から取り出して
ホストみたいに凄い技を駆使してたばこに火をつけて。
井上「ふー」
井上がたばこの煙をゆっくりと吐き出す。
井上「たばこ吸っていい?」
みっくぃ「吸ってから聞くなよ!」
井上がたばこを口元に運んで煙をゆっくりと吐き出して
外を見つめながら。
井上「ロンドになに言ったんだよ」
みっくぃがびっくりした顔をして。
みっくぃ「何って?…」
井上がたばこをゆっくりと吸って
ゆっくりと煙を吐き出して遠い目をして。
井上「あの日、みっくぃロンドに何か言ったでしょ?」
みっくぃ「どうかしたの?」
井上「何でも無いんだけど。。」
みっくぃ「何よぉ?」
井上がたばこの煙をゆっくりと吐き出す。
みっくぃが机をバンッと叩いて井上を睨み付けて。
みっくぃ「あいつが、ロンドが音楽辞める
なんて
言うから一発殴ってやったのよ!
それがどうしたって言うのよ!
悪いの!」
井上がみっくぃを睨み付ける。
みっくぃ「何よ!」
井上「まあ座れよ!」
みっくぃが納得のいかない表情で渋々席につく。
井上「あいつさ。。。」
みっくぃ「私は悪くないからね」
井上が机をバンッと叩いて叫ぶ。
井上「人の話は最後まで聞けよ!」
みっくぃがびっくりした顔をする。
みっくぃ「何よ!大きな声出さなくったっていいじゃないのよ!」
井上がみっくぃを睨み付けて。
井上「みっくぃは一日にどれくらい音楽聞く?」
みっくぃ「なんなのよ!」
井上がみっくぃにまっすぐな視線を向ける。
みっくぃ「一日の半分は音楽聞いてるわよ(笑)
バイト先にも有線ついてるし(笑)」
井上「それは本当に音楽を聴いているの?」
みっくぃ「どういう意味?(笑)」
井上が指を口元に当てて静かにってジェスチャーをする。
井上「シッ」
井上が耳を澄ませる。
みっくぃも耳を澄ませる。
店内にクラシックの音楽が流れている。
井上「今音楽聞いてた?
…
聞かされてたんじゃないの?」
みっくぃ「まあそう言われちゃったらそうかもしれないけど。。」
井上がまじめな顔をして。
井上「あいつは、ロンドは音楽を聴いていたんだよ。
常にね。そういう奴なんだよ」
みっくぃがハッとした顔をする。
○平和島ビックファン・映画館・中(回想)
映画から流れる音楽に合わせてロンドがラップをしている。
ロンド「ヘイ♪ヨー♪」
○喫茶店・中
井上がたばこに火をつける。
井上「ロンドは優しい奴だから
みっくぃに何て言ったのかは解らないけど
ロンドは音が大好きな奴なんだよ。
あいつが音楽を辞めるって言った理由はな…」
○喫茶店・外
小鳥がチュンチュン鳴いている。
○喫茶店・中
みっくぃが号泣して井上の話を聞いている。
井上「あんなに音を好きな奴が。
音を楽しんでいる奴が。。。」
井上のほほから涙がこぼれ落ちる。
井上「音楽を嫌いになれる訳ないだろ!」
みっくぃが泣きながらうなずいている。
井上「一番つらいのはな
ロンド自身なんだよ」
みっくぃが机に顔を埋める。
○ロンドの部屋(回想)
みっくぃがロンドのほっぺたに思いっきりビンタをかます。
ロンドが吹っ飛ぶ。
みっくぃ「なに勝手な事言っちゃってるのよ!」
○喫茶店・中
みっくぃが机に顔を埋めて号泣しながら。
みっくぃ「私、最低だぁ」
音楽 第16話
○オフィス街(夕)
スーツを着たサラリーマンたちが会社から次々と出て行く。
サラリーマン「よし!一杯やっていくか(笑)」
スーツを着たロンドが会社から出てきて辺りをキョロキョロと
伺ってからネクタイを外して
首の辺りをかきむしって
ネクタイを鞄にしまう。
ロンド「ふー」
ロンドがため息をつく。
女の声「うふふふふ(笑)
何ため息なんかついちゃってるのよ(笑)」
ロンドがびっくりした顔をして
後ろに振り返る。
みっくぃが笑顔で立っている。
ロンド「み、みっくぃ(笑)」
みっくぃが笑顔でロンドに近づいていって。
みっくぃ「さ、行くよ(笑)」
みっくぃがロンドの手を引っ張っていく。
ロンド「ちょ、どこに行くの?(笑)」
みっくぃ「いいから(笑)」
みっくぃがロンドの手を引っ張って歩いていく。
○平和島ビックファン・前(夕)
みっくぃがロンドの手を引っ張ってビックファンに入っていく。
ロンド「痛い(笑)痛い(笑)」
○同・ゲームセンター(夕)
広い場内にたくさんのゲーム機が並んでいる。
みっくぃがロンドの手を引っ張ってゲームセンターに入っていく。
みっくぃ「行こっ(笑)」
ロンド「なんでこんな所に。。。(笑)」
みっくぃ「いいから、いいから(笑)」
× × ×
みっくぃとロンドが笑顔でレーシングゲームをしている。
× × ×
ロンドが真剣な顔でパンチングマシーンを殴っている。
結果が出て大笑いしているみっくぃとロンド。
× × ×
ロンドがみっくぃの方に笑顔で振り返って。
ロンド「次何やる?」
みっくぃが遠くを指さして。
みっくぃ「あれやりたい(笑)」
ロンド「あれ?(笑)」
ロンドがみっくぃの指を指した方を見る。
プリクラが置いてある。
みっくぃ「行こっ(笑)」
ロンド「俺プリクラとか撮ったこと無いんだよ(笑)」
みっくぃ「いいからさ(笑)」
みっくぃがロンドの腕を引っ張っていく。
○同・プリクラ機械・中(夕)
かっこいいポーズをとる二人。
ふざけた顔をする二人。
めちゃめちゃ笑ってる二人。
プリクラの機械に『お絵かきコーナーに行ってね』と表示される。
ロンドが画面を指さして。
ロンド「みっくぃ(笑)これ何?(笑)」
みっくぃ「いいから出て出て(笑)」
みっくぃがロンドを機械から笑顔で押し出す。
○同・同・お絵かきコーナー(夕)
みっくぃがペンを片手に画面に向かっている。
ロンドが入り口のカーテンを開けて中を覗いて。
ロンド「それって結構かかるの?(笑)」
みっくぃ「結構かかるね(笑)」
ロンド「俺、外で待ってるね(笑)」
みっくぃが画面に釘付けになりながら。
みっくぃ「わかったよ(笑)あんまり遠く行かないでよ(笑)」
ロンド「わかった(笑)」
ロンドがカーテンを閉めて出て行く。
みっくぃが一生懸命お絵かきをしている。
プリクラの機械「あと三十秒だよ」
○プリクラお絵かきコーナーの画面(夕)
ロンドとみっくぃが笑顔で並んでいる画面。
ハートマークが書かれる。
『大好き』
と文字が書き加えられる。
みっくぃの声「いやいやいや(笑)」
『大好き』の文字が消える。
プリクラの機械「あと十秒だよ」
『大好き』の文字が書き加えられる。
○平和島ビックファン・ゲームセンター・プリクラの機械・前(夕)
みっくぃがプリクラを受け取って
ぶら下がっているはさみを手にとって
プリクラを切っていく。
みっくぃが切り取ったプリクラの一部を鞄の中にしまい込む。
みっくぃ「これは無いな(笑)」
みっくぃが辺りを見回す。
ロンドの姿は無い。
みっくぃ「もう!遠くに行かないでって言ったのに!」
みっくぃがふと遠くを見ると人だかりが出来ているマシーンがある。
みっくぃ「何かしら?」
みっくぃが人だかりに近づいていく。
野次馬「すっげー!プロ並みじゃん(笑)」
みっくぃが人混みをかき分けて中を見ると
「ギターフリークス」をゲームセンターに来てから
見せたことの無い笑顔でギターを弾いているロンドがいる。
みっくぃ「(小声で)ロンド。。。」
ロンドがアドリブとかを入れまくって楽しそうにプレイしている。
曲が終わる。
野次馬が固唾を飲んで点数表示に注目する。
『残念』の文字が表示される。
野次馬「ああー」
野次馬からため息が漏れる。
ロンドが頭をポリポリかきながら振り返る。
みっくぃが思わず人混みに隠れてプリクラコーナーに走っていく。
みっくぃがプリクラコーナーの前でゆっくり呼吸をして
息を整えている。
ロンドが笑顔でプリクラコーナーにやってくる。
ロンド「もう終わった?(笑)」
息の整ったみっくぃが笑顔で振り返って。
みっくぃ「今終わった所だよ(笑)」
ロンド「そう(笑)」
みっくぃ「どこ行ってたの?(笑)」
ロンドがみっくぃから目線をちょっと外して。
ロンド「ちょっとトイレ行ってたよ(笑)」
みっくぃ「そう(笑)」
みっくぃがロンドに隠れて軽くため息をつく。
音楽 第17話
○ロンドの家・玄関・中(夜)
スーツ姿のロンドが扉を開けて玄関に入ってくる。
ロンド「ただいま(笑)」
ロンドの家の中から楽しげな音が聞こえてくる。
ロンドが不思議そうな顔をして階段を見上げる。
○同・ロンドの部屋・前(夜)
ロンドが部屋の前に不思議そうな顔をして立っている。
部屋から聞こえてくる声「えへえへへへっへ(笑)」
ロンドが扉を勢いよく開ける。
○同・ロンドの部屋・中(夜)
ロンドが扉を勢いよく開けて。
ロンド「井上!!(笑)」
井上がビックリして振り返る。
井上「びっくりしたな(笑)
ロンドかよ(笑)どうしたんだよ(笑)」
ロンド「どうしたって(笑)
ここ俺の部屋だよ(笑)」
井上「あ、そっか(笑)
えへへへへへええっへ(笑)」
ロンド「イヒイヒヒヒヒヒイイヒ(笑)」
女の声「ハハッハハッハハハッハ(笑)」
ロンドが素早く女の声がする方に振り向く。
何かブランド物とかをさらっと自分流に着こなしている、
かっこいい感じの女の人が座ってロンドと井上のやりとりを
聴いて笑っている。
ロンドが真剣な顔で女の人を見つめて。
ロンド「だれ?」
井上「ああ(笑)いとこのたまちゃん(笑)」
たまちゃん(21)がとびっきりの笑顔で。
たまちゃん「初めまして(笑)」
ロンドがたまちゃんの姿をつま先から頭の先までゆっくりと見ていく。
たまちゃんの周りが光り輝いて後光が差している。
ロンドが生唾を飲み込む。
ロンドの喉元の音「ごくり」
ロンドの表情がにやけた感じになる。
井上の声「…ド。…ンド。ロンド…!」
ロンドがハッと我に返る。
井上がロンドの肩を揺さぶって。
井上「ロンド!どうかしたのかよ(笑)」
ロンド「なんでも無いよ(笑)」
たまちゃんが笑い出す。
たまちゃん「ハッハハハハ(笑)
ロンドさんっておもしろいですね(笑)」
ロンド「そうかな(笑)」
ロンドがばつが悪そうに後頭部をポリポリとかく。
井上がロンドを手でさして。
井上「たまちゃん。紹介するよ。
友達のロンド(笑)」
ロンドが手のひらをズボンの後ろでぬぐってから
たまちゃんに手を差し出す。
ロンド「ロンドです(笑)よろしく(笑)」
ロンドとたまちゃんが握手をする。
たまちゃん「すいません(笑)勝手におじゃましちゃって(笑)」
ロンド「いいよ(笑)いいよ(笑)」
○道(夜)
ロンドと井上とたまちゃんが並んで歩いている。
ロンドが井上の袖を引っ張って小声で。
ロンド「どうしたんだよ?(笑)」
井上「最近全然遊んでくれないから押しかけちゃった(笑)」
先を歩いているたまちゃんがクルッと振り返って。
たまちゃん「私、あそこ行きたい(笑)」
たまちゃんが指を指した先はカラオケボックス。
井上がたまちゃんの元に駆け寄って。
井上「たまちゃん。カラオケはこ、今度にしようか(笑)」
たまちゃんがほっぺたをプクーっと可愛く膨らませて。
たまちゃん「たまちゃんカラオケ行きたい!」
井上「…でも」
井上がチラッと後ろを振り返る。
後ろにロンドの姿は無い。
ロンドがたまちゃんの前に笑顔で顔を出して。
ロンド「カラオケ行こうか(笑)」
たまちゃんがとびっきりの笑顔を見せて。
たまちゃん「うん(笑)行こっ(笑)」
たまちゃんがカラオケボックスの中へ走り出す。
○カラオケボックス・中(夜)
ロンドが熱唱している。
たまちゃんがロンドの姿に見とれている。
ロンドが歌い終わって席に戻る。
たまちゃん「歌上手ですね(笑)」
井上が誇らしげな表情で。
井上「そりゃあロンドは…」
ロンドが井上の言葉をさえぎって。
ロンド「そんなこと無いよ(笑)」
たまちゃん「そんなこと無いですよ(笑)
プロ並みですよ(笑)」
ロンドが困った顔をする。
井上が咳払いをして。
井上「ゴホン。たまちゃん。ロンドはな…」
倖田來未の曲のイントロが流れる。
たまちゃんが井上の話をさえぎって立ち上がって。
たまちゃん「あー(笑)私の番だぁ(笑)」
たまちゃんがノリノリで歌い出す。
ロンドが笑い出す。
ロンド「イヒヒヒヒヒヒイイヒ(笑)」
井上「エヘヘヘヘヘヘヘエエエ(笑)」
たまちゃんが楽しそうに歌っている。
音楽 第18話
○夜の街
邪悪な雰囲気が漂う街(笑)
○居酒屋・中(夜)
ざわつく店内。
みっくぃと井上が向かい合わせで飲んでいる。
みっくぃが井上を見て。
みっくぃ「なんで井上となんか飲んでるのよ。私(笑)」
井上「なんでみっくぃなんかと飲んでんだろ?(笑)」
みっくぃがちょっと怒って。
みっくぃ「なんでって何よ!」
井上「何だってそっちから言ったんじゃないかよ!
大体俺は井上じゃなくって…」
井上がみっくぃを見上げると。
みっくぃが後ろを向いている。
井上「また聞いてないよ…」
井上が軽くへこむ。
みっくぃの視線の先には大学生らしき集団がコンパをしている。
イケメン大学生「じゃあ自己紹介しようか(笑)」
井上がうれしそうな顔をして。
井上「何、何?みっくぃ男に飢えてんの?(笑)」
みっくぃが井上を睨み付けて。
みっくぃ「何言ってんの?」
井上がビールをみっくぃのグラスに注いで。
井上「まあ、まあ(笑)とりあえずグィーッといっちゃってよ(笑)」
みっくぃがビールが注がれたコップを眺めて
手に取り
グィーッといっちゃう。
みっくぃ「ぷはー(笑)」
井上「いくね(笑)ねぇねぇみっくぃ(笑)」
みっくぃ「何?(笑)」
井上「今度コンパして…」
みっくぃが井上の声をさえぎって。
みっくぃ「やだ(笑)」
井上「早っ!早いよ!みっくぃ(笑)
断るの絶対早いって(笑)」
みっくぃ「そんなこと無いよ(笑)」
みっくぃが井上から目線をはずして軽くため息をつく。
井上がみっくぃを見てニヤニヤしている。
みっくぃが井上の視線に気がついて井上を睨み付ける。
みっくぃ「何笑ってるのよ!」
井上「みっくぃさ。好きな人いるでしょ?(笑)」
みっくぃがドキッとして。
みっくぃ「い、いないわよ」
みっくぃがしどろもどろで答えてカクテルを口に運ぶ。
井上がビックリした顔をして。
井上「いるんだ!」
みっくぃが口からカクテルを吐き出して。
みっくぃ「いないって言ってるじゃん!」
井上「今、明らかにいる人の反応だったじゃん(笑)」
店員がやってきてみっくぃが口から吐き出した
カクテルをおしぼりで拭く。
みっくぃが店員に。
みっくぃ「すいません。大丈夫ですよ置いといてもらえればやりますんで(笑)」
店員が頭を下げて去っていく。
みっくぃが店員にもらったおしぼりで洋服を拭いている。
みっくぃ「もう!井上!変なこと言わないでよ!」
井上「で?(笑)」
みっくぃ「へ?」
井上が体をみっくぃの方に乗り出して。
井上「もうコクったの?(笑)」
みっくぃがちょっと怒った顔をして。
みっくぃ「だ・か・ら…」
井上が残念そうな顔をして。
井上「なんだ。まだコクって無いのかよ(笑)」
みっくぃが怒った顔をして。
みっくぃ「悪いの!?」
井上「悪くないけどさ…」
みっくぃ「悪くないけど何よ!」
井上「なんか単純に不思議でさ(笑)」
みっくぃ「何が不思議なのよ?」
井上が真剣な顔をして。
井上「好きな人に好きって言わないのはおかしくない?(笑)
逆に聞きたいけど何でみっくぃは
その好きな人に好きって言わないの?」
みっくぃ「何でって…」
みっくぃが恥ずかしそうに。
みっくぃ「嫌われたくないじゃん…」
井上が不思議そうな顔をして。
井上「何で?(笑)
好きな人に【嫌い】って言って嫌われるなら解るけど
好きな人に【好き】って言って何で嫌われちゃうの?(笑)」
みっくぃが困った顔をする。
みっくぃ「それはそうかもしれないけど…」
井上がとびっきりの笑顔で。
井上「まあ俺は応援するから
みっくぃもがんばってよ(笑)」
みっくぃが笑顔になって。
みっくぃ「ありがとう(笑)」
井上がビールの入ったコップを手にとって。
井上「まあ(笑)みっくぃの恋に乾杯しようか(笑)」
みっくぃと井上がコップをコツンとする。
井上「まあ相手が俺の知ってるヤツだったら
全面協力出来るんだけどね(笑)
例えば…
ロンドとかだったら(笑)
えへへへっへえへ(笑)」
井上がビールをゴクゴクと飲む。
みっくぃが顔を真っ赤にしてうつむく。
井上「バフッ」
井上が口から思いっきりビールを吐き出す。
井上「えー!!」
井上がみっくぃを二度見して。
井上「えーーー!!!!」
みっくぃが恥ずかしそうに体をくねくねさせている。
音楽 第19話
○ロンドの部屋
ロンドがせくせくと部屋に掃除機をかけている。
ロンドが時折部屋にかけてある掛け時計をチラチラと見る。
ロンドの部屋のドアが『カチャリ』と音を立てて開く。
ロンドがとびっきりの笑顔で振り返る。
ロンド「早かった(笑)…ね」
ロンドが苦笑いをする。
ロンドの部屋の扉を開けて入ってくるみっくぃ。
みっくぃがとびっきりの笑顔で。
みっくぃ「そう?(笑)」
ロンドが焦って。
ロンド「ど・どうしたの?(笑)今日は?(笑)」
みっくぃが恥ずかしそうな顔をして。
みっくぃ「何か近くまで寄ったからさ(笑)」
○居酒屋・中(夜・回想)
みっくぃと井上が向かい合わせで座っている。
井上「えー!!えー!!?」
みっくぃがコクリとうなずく。
井上「マジー?マジー?」
みっくぃ「マジ(笑)」
井上が真剣な顔でみっくぃを見つめて。
井上「マジ?」
みっくぃ「マジ!」
井上が空になったコップを手にとって飲み干す。
井上「マジ?」
みっくぃ「ってか。それ入ってないから(笑)」
○ロンドの部屋
みっくぃがベッドに座っている。
ロンドが回転椅子に座って、くるくる回りながらみっくぃを見つめている。
○居酒屋・中(夜・回想)
井上がうつむいて。
井上「(小声で)なんかまずいことしちゃったかな。。。」
みっくぃ「え?何か言った?(笑)」
井上が首を左右にブルンブルンと振って。
井上「なんにも言ってないよ(笑)」
みっくぃ「ふーん。。。」
みっくぃが冷たく井上を見つめる。
井上が焦って。
井上「なんにも言ってないってばさ(笑)」
みっくぃ「ならいいけど。。。」
井上「と、ところでロンドはそのこと知ってるの?(笑)」
みっくぃが恥ずかしそうにうつむいて。
みっくぃ「知らないんじゃないの?言ってないし…」
井上が身を乗り出して。
井上「何で言わないの!」
みっくぃ「なんでって…」
井上がみっくぃの手を取って。真剣な顔でみっくぃの顔を見つめて。
井上「すぐに行動に移すべきだよ」
みっくぃが井上の手をふりほどいて。
みっくぃ「ただ触りたいだけじゃないの!」
井上「なんだよ!」
みっくぃ「なによ!」
みっくぃと井上がしばらくにらみ合う。
みっくぃがうつむいて。
みっくぃ「…行動って何をすればいいのよ…」
井上「『近くまで来たから』とか言って家行っちゃえばいいじゃん(笑)」
みっくぃ「そんなの。出来るわけないじゃん!」
○ロンドの部屋
みっくぃがベッドに座って足をプラプラさせている。
みっくぃとロンドが同時に。
みっくぃ「あのさ!」
ロンド「あのさ!」
みっくぃとロンドが譲り合う。
みっくぃ「どうぞどうぞ(笑)」
ロンド「どうぞどうぞ(笑)」
みっくぃが鋭い視線をロンドに投げかける。
ロンド「え?じゃあ(笑)今日みっくぃは何しに来たの?(笑)」
みっくぃが生唾を飲み込む。
みっくぃ「あ、遊びによ(笑)」
みっくぃがベッドで足をプラプラさせている。
ロンド「俺、今日さ…」
みっくぃがベッドから飛び降りて真剣な顔で。
みっくぃ「話があるの!」
ロンドが回転椅子の回転を止めて真剣な顔になる。
ロンド「どうしたの?(笑)真剣な顔して(笑)」
みっくぃの心臓の鼓動が高鳴る。
みっくぃの心臓の鼓動「ドクン!ドクン!ドクン!」
○居酒屋・中(夜・回想)
みっくぃがうつむきながら。
みっくぃ「それでさ。例えば家に行ったとして…」
井上が笑顔になって。
井上「やっと行く気になった?(笑)」
みっくぃが井上を睨み付けて。
みっくぃ「例えばって行ってるでしょ!」
井上が背筋をピンと伸ばして。
井上「は、はい!」
みっくぃ「例えば!例えば急に家に行ったとして
どうすればいいの?」
井上がにやりと笑って。
井上「そんなの『好き』って言うに決まってるじゃん(笑)」
○ロンドの部屋
椅子に座っているロンドが椅子から降りる。
ロンドが焦った顔をしながら。
ロンド「は、話って何?(笑)」
みっくぃが顔を真っ赤にしながらうつむいて。
みっくぃ「(小声で)好き?」
ロンド「へ?」
みっくぃ「好き?」
ロンドがドギマギしながら。
ロンド「な、なんだよ!?(笑)急に(笑)」
みっくぃが大きく深呼吸をして。
みっくぃ「だから、音楽好きかって聞いてるの!」
ロンドが一瞬驚いた顔をして。
ロンド「そんなの好きに決まってるじゃん(笑)」
みっくぃが笑顔になって。
みっくぃ「そうなんだ(笑)
そうなんだ(笑)」
ロンド「そうだよ(笑)」
みっくぃ「前に聞いたかもしれないけど
どんなところが好きなの?」
ロンド「どんな所って?(笑)」
ロンドが少し考え込む。
ロンド「わかんないや(笑)」
みっくぃ「なんかロンドらしいね(笑)」
ロンド「そうかな(笑)
イヒヒヒイイイヒヒヒ(笑)」
みっくぃ「そうだよ(笑)
うふふふふうううふうふふうふ(笑)」
大声で笑いあう二人。
みっくぃが扉の方に向かう。
ロンド「帰っちゃうの?(笑)」
みっくぃが笑顔で振り返って。
みっくぃ「うん(笑)
聞きたいこと聞けたし(笑)」
ロンド「そうなんだ(笑)」
ロンドが優しく微笑む。
○ロンドの家・前
みっくぃが玄関から出てきてロンドの部屋を見上げる。
みっくぃ「はぁー」
みっくぃが大きなため息をついて歩き出す。
みっくぃの後ろの道からたまちゃんが出てくる。
みっくぃ心の声「私、何やってるんだろ。。」
みっくぃが大きなため息を吐き出す。
みっくぃ「はぁー」
みっくぃの後ろでたまちゃんがロンドの家に入っていく。
音楽 第20話
○ロンドの部屋
ロンドがせくせくと部屋に掃除機をかけている。
ロンドが時折部屋にかけてある掛け時計をチラチラと見る。
ロンドの部屋のドアが『カチャリ』と音を立てて開く。
ロンドがとびっきりの笑顔で振り返る。
ロンド「遅かったね(笑)」
ロンドの部屋の扉を開けてたまちゃんが入ってくる。
たまちゃん「そう?(笑)」
たまちゃんが腕時計と部屋にかけてある掛け時計を見比べる。
たまちゃん「その時計ちょっと進んでるみたいよ(笑)」
ロンドが焦って掛け時計を見つめる。
ロンド「そ、そうなの?(笑)」
たまちゃん「そうなの(笑)」
ロンド「ご、ごめん(笑)」
たまちゃんが回転椅子に腰掛けてくるくる回りながら部屋の中を見回す。
たまちゃん「きれいな部屋に住んでるのね(笑)」
ロンドが後頭部をポリポリかきながら。
ロンド「そうかな?(笑)ありがとう(笑)」
たまちゃんが部屋の隅に置いてあるエレキギターを発見して。
たまちゃん「ああいうの弾いたりするの?」
ロンドがギターを見つめて。
ロンド「まあ昔はね(笑)」
たまちゃん「ふーん、、、そうなの…(笑)」
二人の間に一瞬の沈黙が流れる。
たまちゃん「もう辞めちゃったんだ?(笑)」
ロンド「まあね(笑)」
ロンドがニヤッと笑う。
たまちゃんが遠くを見つめて。
たまちゃん「ふーん」
たまちゃんが回転椅子から飛び降りて、
ロンドを見てニコッと笑って。
たまちゃん「全部聞いたわよ(笑)
井上に(笑)」
ロンドがまじめな顔でたまちゃんの顔を見つめて。
ロンド「たまちゃん。。。
いとこなのに井上の事井上って言うんだ(笑)」
たまちゃんがびっくりした顔をして。
たまちゃん「え!?井上って名前じゃないの?」
ロンドがにっこり笑って。
ロンド「井上はあだ名で本当の名前は…」
たまちゃんがロンドの話を遮って。
たまちゃん「後悔はしてないの!?」
たまちゃんがロンドの顔を真剣に見つめる。
○ロンドの部屋(回想)
ロンドが背を向けてむせび泣いてる。
ロンドの嗚咽が部屋に響く。
○ロンドの部屋
ロンドがたまちゃんの顔を見つめて
ニヤッと笑って。
ロンド「後悔する人生なんか送ってないよ(笑)」
たまちゃんがロンドの顔を見てにっこり笑って。
たまちゃん「それなら良かった(笑)
ミュージシャンも大変らしいもんね(笑)
いっくら歌がうまくても売れるとは限らないし。
いっくら演奏が上手でも食べていけるとは限らないし。
いっくらいい曲作ってもみんなに聞いてもらえるとは限らないしね」
ロンドがたまちゃんに背を向けて。
ロンド「まあね(笑)」
たまちゃん「労働時間が収入に反映するわけでも無いし」
ロンド「…」
たまちゃん「食べていくためには
自分が納得いかなくても売れる曲を作らないといけないしね(笑)」
ロンド「…」
たまちゃん「今は働いた分だけ給料もらえるから
いいでしょ?(笑)」
ロンドが暗い声で。
ロンド「そ、そうだね(笑)」
たまちゃん「親も安心するでしょ?(笑)」
ロンド「…」
たまちゃんが顔を真っ赤にしながら。
たまちゃん「(小声で)私、ロンドには幸せになって欲しいんだ(笑)」
ロンドが体をたまちゃんの方に向けて。
ロンド「今、何か言った?(笑)」
たまちゃんが顔を真っ赤にしてうつむきながら。
たまちゃん「(小声で)幸せになって欲しいの」
ロンドがたまちゃんに顔を近づけて。
ロンド「何?何?聞こえないよ(笑)」
たまちゃんが顔をガバッと上げて
ロンドに口づけを交わす。
ロンドが目を白黒させてとまどっている。
たまちゃんが口を離してスクッと立ち上がる。
たまちゃん「じゃあ私帰るね(笑)」
ロンド「え!?」
たまちゃんがクルッと体を回転させて扉へ向かう。
音楽 第21話
○平和の森公園(朝)
公園のベンチにロンドとたまちゃんがニコニコ顔で座っている。
たまちゃんが鞄からランチボックスを取り出して
中からサンドウィッチを出す。
たまちゃん「じゃじゃじゃじゃーん(笑)」
ロンドが笑顔でびっくりして。
ロンド「すっげー(笑)いつの間に作ったの?(笑)」
たまちゃんが微笑んで。
たまちゃん「ロンドが寝てる間に作ったのだぁー(笑)」
ロンド「マジで?(笑)ありがとう(笑)」
たまちゃんが頭をロンドに突き出して。
たまちゃん「たまちゃん、いい子?」
ロンドが笑顔でたまちゃんの頭をいい子いい子しながら。
ロンド「うん(笑)いい子いい子(笑)」
たまちゃんが満面の笑みを浮かべて。
たまちゃん「さめないうちに食べちゃおう(笑)」
ロンド「さめないうちにって…(笑)」
ロンドがサンドウィッチにかぶりつく。
たまちゃんが真剣な顔をしてロンドの顔を見て。
たまちゃん「ロンド!」
ロンドがほほにサンドウィッチをリスみたいにいっぱい頬張りながら
たまちゃんの方を見る。
ロンド「ん?(笑)ナバニ?(笑)」
たまちゃんがまっすぐ前を見て恥ずかしそうにうつむきながら
ベンチで足をプラプラさせて。
たまちゃん「お願いがあるんだけど。。。」
ロンドがムシャムシャしながら。
ロンド「ナラニ?(笑)」
たまちゃん「私、来月誕生日なんだ(笑)
キャ!言っちゃった!(笑)」
たまちゃんが真っ赤になった顔を手のひらで覆い隠す。
ロンドが口の中のサンドイッチを飲み込んで。
ロンド「そうなんだ(笑)おめでとう(笑)」
たまちゃんがロンドの顔を見る。
たまちゃん「…」
ロンドが焦って。
ロンド「あ、あぁ(笑)たまちゃん何か欲しいものあるの?(笑)
俺
そういうのしたこと無いからよくわかんないんだよね(笑)」
たまちゃんがすばらしい笑顔でロンドの顔を見て。
たまちゃん「(大声で)プライスレス!!」
ロンドがびっくりして。
ロンド「え?!(笑)」
たまちゃんが恥ずかしそうにうつむいて。
たまちゃん「お金じゃ買えない価値が欲しいなぁ(笑)」
ロンドが困った顔をして。
ロンド「ますます俺には解らないよ。。。(笑)」
たまちゃん「そんなのまで女の子に聞かないでよ(笑)」
ロンド「ごめん。。」
ロンドがうつむく。
ロンド「…」
たまちゃん「…」
たまちゃんがうつむきながら。
たまちゃん「お金で買えない物って言ったら
例えば…
夜景のきれいな丘にドライブ行くとか…
例えば…
素敵な詞を書くとか…。
例えば…
私のために元気になれる曲を書くとか…。
例えば…
一生心に残るような歌を歌ってくれるとか…」
たまちゃんが笑顔でロンドの顔を見て。
たまちゃん「ほら(笑)
ちょっと考えただけでも色々あるでしょ?(笑)」
ロンドが笑顔でたまちゃんの顔を見て。
ロンド「わかった(笑)」
たまちゃんがニッコリと笑って。
たまちゃん「ホント!(笑)たまちゃんうれしい(笑)」
たまちゃんがロンドにギュッと抱きつく。
ロンドが恥ずかしそうに後頭部をポリポリと掻く。
○ロンドの家・玄関・前(夕)
ロンドが勢いよく扉を開けて家に入っていく。
ロンドの声「ただいまー!」
○同・玄関・中(夕)
ロンドが靴を脱ぎながら。
ロンド「って誰もいないのに言う俺(笑)」
男の声「ただいま」
ロンドが焦って振り返る。
ロンドの目の前に父ちゃんが笑顔で立っている。
ロンド「父ちゃん!」
父ちゃん「息子!」
ロンドが父ちゃんに抱きつく。
父ちゃんが笑顔で。
父ちゃん「おうおうおう(笑)」
父ちゃんがロンドをいい子いい子する。
○同・リビング(夕)
ロンドと父ちゃんが向かい合わせで座ってコーヒーを飲んでいる。
父ちゃん「ズズズッズ」
ロンド「もう退院して大丈夫なのか?(笑)」
父ちゃん「ズズズ」
父ちゃんがコーヒーをすすって、ゆっくりとカップを机に置いて。
父ちゃん「バンド辞めたってのは本当なのか?(笑)」
ロンド「…」
ロンドがうつむく。
父ちゃん「それは息子が自分で決めたのか?(笑)」
ロンド「…うん」
父ちゃん「嫌いになっちゃったのか?」
ロンド「…わからないよ」
父ちゃん「そうか(笑)」
父ちゃんがゆっくりとコーヒーをすする。
父ちゃん「ズズズズッズ」
ロンドがうつむく。
父ちゃんがカップをゆっくりと机に置いて。
父ちゃん「みんなには言ったのか?(笑)」
ロンドが顔をあげて。
ロンド「言ったよ(笑)
井上とか、みっくぃとか、母ちゃんとか、たまちゃんとか…」
父ちゃんがロンドの言葉を遮って。
父ちゃん「ファンのみんなには?(笑)」
ロンドがうつむく。
ロンド「…でも仕事が…」
父ちゃん「さよなら位、言わせてあげたらどうだ?(笑)」
父ちゃんが立ち上がってリビングから出て行く。
ロンドが指を組んでうつむいている。
父ちゃんが壁から顔だけ出して。
父ちゃん「会社なら心配するな(笑)
息子なんかいなくっても平気だから(笑)
息子は好きなことやりなさい(笑)」
父ちゃんがニッと笑う。
音楽 第22話
○みっくぃの部屋(夜)
みっくぃがパジャマ姿でパソコンをカチカチ叩いている。
パソコンの画面に
『2ちゃんねる掲示板へようこそ』
の文字。
みっくぃが検索窓に
『パパイヤーン』と打ち込む。
パソコンの画面が変わって
『【パパイヤーン】では検索できませんでした
過去ログを確認してみてね』の文字が出てくる。
みっくぃが軽くため息を吐く。
みっくぃ「はぁ〜」
音が鳴る。
携帯の着信音「才能を出すのは怖い♪
だけど出さないともったいないよね♪才能〜♪」
みっくぃが体をねじらせてベッドの上に転がっている携帯電話を見る。
携帯電話のディスプレイには『井上』の文字が出ている。
みっくぃが軽くため息をして。
みっくぃ「はぁ〜。もしもし」
携帯電話の声「ため息スタートかよ!」
みっくぃ「何か用?」
携帯電話の声「いやっ。何かみっくぃの声が聞きたくなってさ(笑)」
みっくぃが冷たく。
みっくぃ「で?」
携帯電話の声「みっくぃ今何してんの?」
みっくぃがパソコンの画面をボーッと眺めながら。
みっくぃ「別に…」
携帯電話の声「どうせ2ちゃんでロンドの事検索でもしてるんだろ(笑)」
みっくぃがびっくりして周囲を見回して。
みっくぃ「な、何言ってんのよ!そ、そんな訳無いでしょ!」
携帯電話の声「え!?図星!?」
みっくぃ「違うって言ってるでしょ!」
みっくぃがパソコンをシャットダウンしようとマウスを動かす。
携帯電話の声「パソコンの電源落とさなくていいからさ(笑)」
みっくぃが立ち上がって窓の外を見たり
布団をめくって中を覗いたりする。
携帯電話の声「盗撮なんかしてないから(笑)
いいから公式開いてみなよ(笑)
パパイヤーンの(笑)」
みっくぃが辺りをキョロキョロしながらパソコンの前座る。
携帯電話の声「見た?(笑)」
みっくぃがパソコンをカチャカチャいじる。
みっくぃ「ちょっと待ってよ!」
みっくぃがパソコンの画面を見つめて度肝を抜かれた表情をする。
携帯電話の声「度肝抜かれたでしょ?(笑)」
○井上の部屋(夜)
井上が携帯電話を耳に当ててパソコンの前に座って。
井上「俺も度肝抜かれたよ(笑)
まさかロンドが…
ってみっくぃ聞いてる?」
○みっくぃの部屋(夜)
みっくぃの姿は無い。
パソコンの前に携帯電話が置かれてる。
携帯電話の声「おーい(笑)聞いてる?
おーい。みっくぃー」
パソコンの画面に
『カウントダウンジャパン緊急参戦決定!!』の文字。
携帯電話の声「おーい。みっくぃ!俺の本名教えてあげるから…」
○道(夜)
みっくぃがパジャマの上にコートを羽織って走っている。
○タクシーの中(夜)
みっくぃが肩で息をしている。
○ロンド家・玄関・前(夜)
みっくぃがピンポンを押す。
反応が無い。
みっくぃがもう一度ピンポンを押す。
みっくぃが暗い顔で軽くため息を吐く。
みっくぃ「はぁ〜」
みっくぃが玄関に背を向ける。
玄関の明かりが点く。
扉が開く音がする。
ロンドの声「みっくぃ!(笑)」
みっくぃの表情がみるみる笑顔になって
元気よく振り返る。
みっくぃ「ロンド!(笑)」
ロンドが玄関から半分だけ体を出している。
ロンド「どうしたの?(笑)こんな夜遅くに(笑)」
みっくぃがロンドの顔を笑顔で見つめる。
○居酒屋(夜・回想)
井上「そんなの好きって言うに決まってるじゃん(笑)」
井上「好きな人に【嫌い】って言って嫌われるなら解るけど
好きな人に【好き】って言って何で嫌われちゃうの?(笑)」
○ロンド家・玄関・前(夜)
みっくぃが大きく深呼吸して真剣な顔になる。
ロンド「どうしたのさ(笑)」
みっくぃが真剣な顔でロンドを見つめる。
ロンド「み、みっくぃ?(笑)」
みっくぃがニコッと笑って。
みっくぃ「ライブがんばってね(笑)
絶対見に行くから(笑)」
ロンドがニコッと笑って。
ロンド「ありがとう(笑)」
みっくぃ「じゃあね(笑)」
ロンド「え?あぁ、うん(笑)じゃあね(笑)」
みっくぃがロンドに背を向けて笑顔で歩いていく。
ロンドが小首をひねる。
ロンドの後ろからたまちゃんが目をこすりながら出てきて。
たまちゃん「誰か来たの?」
ロンド「う、うん(笑)」
たまちゃん「たまちゃん、寝るね」
たまちゃんが目をこすりながら家の奥に消えていく。
ロンド「うん(笑)お休み(笑)」
ロンドがたまちゃんが奥に消えて行くのを確認してから
玄関から体を乗り出してみっくぃの姿を探す。
小さくなっているみっくぃの後ろ姿。
音楽 第23話
○幕張メッセ・前
『ウェルカム・トゥ・カウントダウンジャパン』と書かれた大きな看板の前で多くの人々が写真を撮っている。
みっくぃが看板の前を通り過ぎる。
○同・入り口・前
入り口でパンフレットを配っている。
みっくぃがパンフレットを受け取って見つめる。
○同・ライブ会場
ステージではスタッフがチューニングをチェックしている。
みっくぃが人混みをかき分けて最前列に陣取る。
みっくぃの隣の客が。
客1「なあ、俺トイレ行ってきたいんだけど」
客2「行ってこいよ」
客1「でも次始まっちゃうじゃんかよ(笑)
次誰だっけ?(笑)」
客2がパンフレットを見て。
客2「パパイ…パパイ…パパイなんとかってやつ(笑)」
みっくぃが客2を睨み付けて。
みっくぃの心の声「パパイヤーンって読むんだよ!」
客2がみっくぃの視線に気がつかずに。
客2「大丈夫だよ。チューニング15分くらいやってるからさ(笑)」
客2が腕時計を眺めて。
客2「まだ5分くらいしか立ってないからさ(笑)
場所とっとくから行ってこいよ(笑)」
客1「そうか、悪いな。じゃあ行ってくるよ(笑)」
客2「おお(笑)」
客1が人混みをかき分けて奥に向かう。
みっくぃが腕時計を見つめる。
みっくぃ心の声「あと十分もあるのか…」
みっくぃが軽くため息をつく。
みっくぃの肩をポンポンと叩く。
井上の声「えへへっへへへへえ(笑)」
みっくぃが後ろを振り返ると笑顔の井上が立っている。
みっくぃ「井上!」
井上「久しぶり!みっくぃ(笑)ってか俺の名前は井上じゃ…」
井上の隣にミニスカートにパンプスのたまちゃんが立っている。
みっくぃが井上の言葉を遮って。
みっくぃ「何?彼女?」
井上がたまちゃんを見て。
井上「ちげーよ!いとこだよ(笑)」
井上がたまちゃんの背中を押してみっくぃのほうに近づけて。
井上「いとこのたまちゃん(笑)」
たまちゃんが会釈をする。
井上がみっくぃを手で指し示して。
井上「こっちが友達のみっくぃ(笑)」
みっくぃが会釈をする。
たまちゃんがみっくぃに近づいて。
たまちゃん「たまちゃんです(笑)
井上がいつもお世話になってます(笑)」
みっくぃ「いえいえ。コチラこそ井上がいつもお世話になってます(笑)」
みっくぃとたまちゃんが握手をする。
みっくぃがたまちゃんをつま先から頭の先まで見て。
みっくぃ「ライブとか来るの初めてなの?(笑)」
たまちゃん「ありますよ(笑)安室ちゃんとか(笑)」
みっくぃ「そうなんだ(笑)でも始まったら後ろのほう行った方がいいかもよ(笑)井上と一緒に(笑)ガーってなっちゃうからこの辺(笑)」
たまちゃん「ガーってなっちゃうんですか?(笑)
でも井上と一緒って(笑)」
たまちゃんが井上の顔を見上げる。
井上「おいおい!だから俺の名前は井上じゃ…」
ステージが暗転する。
明るくなるといつの間にかパパイヤーンの面々が定位置に付いている。
ドラムがスティックでリズムを取っている。
ドラム「1・2・3・4」
ロンド「ゴー!」
観客が一斉に前に集まってくる。
ロンド「才能を出すのは怖い♪
だけど出さないと♪」
みっくぃが腕時計を見て。
みっくぃ「ちょっと早くない!?
まだ7分しか経ってないよ!」
井上「いいじゃん!そんなのは!」
たまちゃん「きゃー!」
観客がガーって前に押し寄せて来てたまちゃんがもみくちゃになっている。
○同・ステージ裏(回想)
パパイヤーンの面々がステージ裏からステージ上でチューニングをしているスタッフを見ている。
ロンドがドラムに向かって。
ロンド「なあ(笑)俺らの持ち時間ってどれくらいなの?(笑)」
ドラム「30分だってさ(笑)」
ロンドが脇から会場を見つめる。
会場から出て行く観客がいっぱいいる。
ロンド「帰っちゃう人いっぱいいるね(笑)」
ベースが会場を覗いて。
ベース「トイレとかじゃないの?(笑)」
ドラムが会場を覗いて。
ドラム「トイレ休憩だよね(笑)」
ロンド「どれくらい延長しても大丈夫かな?(笑)」
ベース「せいぜい30分でしょ?(笑)」
ロンドがパパイヤーンのアルバムを見て。
ロンド「63分あればメジャーデビューしてからの曲全部出来るね(笑)」
ドラム「そうだね(笑)」
ベース「ロンドがこの前書いてた曲って何分なの?(笑)」
ロンド「3分だよ(笑)」
ロンドが腕時計を見る。
ロンド「今からやれば全部出来ちゃうね(笑)」
ベース「まあそうだね(笑)」
ロンドが後ろのスタッフに向かって。
ロンド「すいませーん(笑)」
スタッフがロンドに近づいて。
スタッフ「なんですか?」
ロンドが照明のスイッチを指さして。
ロンド「これなんですか?(笑)」
スタッフ「ああ(笑)舞台を暗転させるスイッチですよ(笑)」
ロンドがベースとドラムの顔を見て微笑んで。
ロンド「まだ走れる?(笑)」
ベースとドラムが顔を見合わせた後にロンドの顔を見て
笑いながらうなずく。
ロンド「ゴー!(笑)」
ロンドが暗転のスイッチを押す。
パパイヤーンの面々がステージに向かって走り出す。
スタッフ「え!?ちょっと、ちょっと…」
スタッフが慌てて暗転のスイッチの元へ走り出す。
○同・ステージ上(回想)
パパイヤーンの面々が急に暗転してとまどっているチューニングをしていたスタッフの元に駆け寄って、スタッフをどかす。
ロンド「時間ですよ(笑)」
チューニングスタッフ「もう終わりですか?」
ロンド「そうですよ(笑)」
チューニングスタッフ「すいません」
チューニングスタッフが舞台裏に走っていく。
○同・ステージ裏(回想)
スタッフが慌てて舞台上を明るくする。
○同・ステージ上(回想)
ロンドがギターを持ってベースの顔を見る。
ベースがうなずく。
ロンドがドラムの顔を見つめる。
ドラムがうなずいてスティックを叩く。
ドラム「1・2・3・4!」
音楽 第24話
○幕張メッセ・ライブ会場・前
たまちゃんがライブ会場から外に出て中の様子を見ている。
会場は大盛り上がりしている。
たまちゃんが柱にもたれて軽くため息を吐く。
たまちゃん「はぁぁぁ」
たまちゃんの目の前を客が通って会場に入っていく。
客3「なあオレンジレンジってここでやるんだよな?」
客4「そうだよ(笑)もう始まるよ」
客3が腕時計を見て。
客3「そうだな(笑)あれ?まだやってるみたいだよ?
今やってるのって誰?」
客4がパンフレットをチラッと見て。
客4「知らね(笑)誰でもいいじゃん(笑)」
客たちが会場に入っていく。
○同・ライブ会場・中
ロンドがシャウトしている。
ロンド「ミッドナイト!♪」
会場内はたくさんの人であふれかえっている。
○同・ステージ脇
カウントダウンのスタッフTシャツを着たスタッフが自分の腕時計を激しく指さして。
スタッフ「もう時間30分も過ぎちゃってるよ!!」
○同・ステージ上
ロンドがチラッとステージ脇を見てからマイクに向かって。
ロンド「えー(笑)」
客席から声が上がる。
客席からの声「ロンドー!」
ロンドが恥ずかしそうに手を挙げて声援に応える。
ロンドが目を細めて会場の様子を見る。
○同・会場・中
半分以上の観客がオレンジレンジのTシャツを着ている。
○同・ステージ上
ロンドがマイクに向かって。
ロンド「次の曲が最後の曲になりました(笑)
えー(笑)
最後の曲になりました(笑)」
ロンドが客席に背を向けて汗をぬぐう振りをして涙をぬぐう。
○同・会場・中
たまちゃんが会場に入っていく。
ロンドの声「次にやる曲はいわゆるバラードってやつです(笑)
俺たちパパイヤーンを見るのが初めてって人もこの会場にはたくさんいると思うけど、どうぞ覚えて行ってください(笑)
パパイヤーンってバンドの事を(笑)
記憶の片隅にでもいれて置いてください(笑)」
○同・ステージ上
会場が暗転してロンドにピンスポットが当てられる。
ロンド「ふー♪ふー♪ふー♪」
ゆったりとしたリズムの結婚式で歌えそうな幸せ系のバラードをロンドが歌い出す。
○同・会場・中
座っていたオレンジレンジのTシャツを着ていた客が立ち上がって、ロンドを見つめる。
オレンジレンジTシャツ「何かいい曲っぽくね?(笑)」
座っていた客たちが次々に立ち出す。
たまちゃんが祈るような格好でロンドを見つめて涙を流す。
最前列に陣取っていたみっくぃが大きな目を見開いてロンドを見つめる。
○同・ステージ上
ロンドが熱唱している。
ロンド「回る♪」
ロンドが客席を見回す。
唖然とした表情を浮かべる観客。
ロンドがベースとドラムの顔を苦笑いで見つめる。
客席からパラパラと拍手が巻き起こる。
ロンドが客席を凝視する。
客席から満開の拍手が巻き起こる。
○同・会場・中
たまちゃんが大きな振りで泣きながら拍手をしている。
みっくぃが最前列でロンドを見つめて泣きながら拍手をしている。
井上がウンウンとうなずきながらほほに涙をつたわせて拍手をしている。
会場中から拍手とすすり泣く嗚咽が入り交じった音が聞こえる。
○同・ステージ上
ロンドが客席に会釈をしながら。
ロンド「どーも(笑)どーも(笑)」
ドラム「ロンド!」
ロンドがドラムの方に振り返って。
ロンド「へ?(笑)」
ドラム「言わないと!」
ロンド「あっ!そっか(笑)」
ロンドがマイクに近づいて。
ロンド「どーも(笑)ザ・パパイヤーンでした(笑)
俺たちはこれで…」
突然ステージ上の照明が落とされて真っ暗になり
マイクの電源も落とされる。
ロンド「…解散するけど???あれ?マイク入って無いよ(笑)」
パパイヤーンの面々にスタッフが飛びかかる。
スタッフ「いい加減にしなさい!」
ロンド「ちょっと、あと十秒だけくれよ!」
スタッフ「そういうことはワンマンでやってくださいよ!」
パパイヤーンの面々がスタッフに羽交い締めにされてステージ脇につまみ出される。
○同・会場・中
みっくぃが井上の肩を叩いて。
みっくぃ「ねえどうしたの?」
井上が鼻を一生懸命すすってる。
井上「知らない」
みっくぃ「知らないってあんた…」
客席からアンコールが巻き起こる。
客たち「アンコール!アンコール!」
みっくぃが辺りを見回して客たちと一緒に手をたたき出す。
みっくぃ「アンコール!アンコール!」
ステージ上に照明がともる。
客席から悲鳴が上がる。
客たち「きゃー!きゃー!」
ステージ上ではチューニングスタッフがチューニングをしている。
○同・楽屋
パパイヤーンの面々がパイプ椅子に座って、スタッフからお説教を受けてうなだれている。
スタッフ「持ち時間はちゃんと伝えておいたでしょーが!」
ロンド「つい…(笑)」
スタッフ「ったく!」
スタッフが去っていく。
ロンドがうなだれたまま上目遣いでスタッフが楽屋から出て行くのを確認する。
スタッフが楽屋の扉を大きな音を立てて閉める。
ロンドがドラムとベースの顔を横目で見て。
ロンド「イヒイヒヒヒイイヒヒ(笑)」
パパイヤーンの面々が顔を上げて大声で笑い出す。
ロンドが立ち上がってドラムとベースとハイタッチをする。
パパイヤーンの面々「イエーイ(笑)」
楽屋の扉がガチャッと開く。
パパイヤーンの面々が慌ててパイプ椅子に座ってうつむく。
ロンドがうつむいたまま上目遣いで扉の方を見る。
扉から入ってきた人がパパイヤーンの面々元へ歩いてくる。
男の声「今、ステージで歌っていたのは君らか?」
ロンドが顔を上げて。
ロンド「いえいえ。違います。
いやっ、そうです(笑)」
ロンドの目の前に石田純一風(45)の肩からカーディガンを掛けた男が笑顔で立っている。
石田純一風「どっちなんだよ(笑)」
ベース「ってか誰なんだよ(笑)」
ロンド「おい!ベース!
すいません(笑)
俺らです(笑)」
石田純一風が名刺を取り出してロンドに手渡す。
石田純一風「私はこういう物だけど(笑)」
ロンドが渡された名刺を見る。
ベースとドラムが名刺をのぞき込む。
音楽 第25話
○喫茶店・中
石田純一風が喫茶店の奥に座っている。
喫茶店の扉が開いてパパイヤーンの面々がキョロキョロしながら店に入ってくる。
石田純一風がパパイヤーンの面々の姿を見つけて笑顔で手を振る。
石田純一風「おーい(笑)こっちこっち(笑)」
石田純一風がサングラスを外して机に置く。
キランと石田純一風の目が光り輝く。
ロンドが驚く。
ロンド「おお!(笑)光ったぞ今(笑)」
石田純一風「いいから座って(笑)ほら(笑)」
パパイヤーンの面々が石田純一風の前に座る。
石田純一風が机の上に手をのっけて。
石田純一風「この前最後にやった曲なんだけど…
なんて言うタイトルの曲なの?(笑)」
ロンド「『しあわせの唄』って言うんです(笑)」
石田純一風「ふーん
そうなんだ、『しあわせの唄』ねえ…」
ロンドがドラムとベースの顔をチラッと見て苦笑いする。
ロンド「イヒヒヒヒイ(笑)」
石田純一風「あの曲はシングル?」
ロンド「いえ(笑)あの曲は初めてあそこでやったんです(笑)
最初で…」
石田純一風がうれしそうに顔を上げて。
石田純一風「そうなんだ(笑)まだCD発売はしてないんだ?(笑)
いやーもったいない!実にもったいない」
ロンド「そうですか?(笑)」
ロンドが後頭部をポリポリと掻く。
石田純一風がロンドに真剣な顔で迫って。
石田純一風「そうだよ!」
ロンドがびっくりした顔をして。
ロンド「すいません。
でも俺ら去年でレコード会社との契約切れちゃって
CD出せない状態なんですよ(笑)
なあ?(笑)」
ベース「まあ(笑)」
ドラム「そういうことですよ(笑)」
石田純一風が椅子に深く腰をかけて。
石田純一風「ロンド君だっけ?」
ロンドが軽く手を挙げて。
ロンド「そうですけど(笑)」
石田純一風「【隠れた名曲】って言葉聞いたことあるかい?」
ロンド「ありますね(笑)」
石田純一風「何から隠れてるんだい?その名曲は?」
ロンドがしかめっ面をして考える。
ロンド「わかりません(笑)」
石田純一風「世間の目からだよ(笑)
君たちアーティストは名曲を作るのが仕事だろ?」
ロンド「は、はい(笑)」
石田純一風「俺らの仕事は名曲を世間に広めるのが仕事なんだよ!
名曲は隠せない時代になってるんだよ(笑)」
ロンド「はぁ(笑)」
石田純一風「名曲は隠れることが出来ないんだよ(笑)」
石田純一風が机の上に手をついて頭を下げて。
石田純一風「頼む。名曲を隠れさせないでくれ!」
ロンドが石田純一風の下げている頭を見つめる。
○みっくぃの部屋
みっくぃが部屋でパソコンのキーボードを叩いている。
携帯の着信音「才能を出すのは怖い♪」
みっくぃが電話に出る。
みっくぃ「もしもし」
携帯電話の声「もしもし、みっくぃ見た?」
みっくぃ「なんだ井上かよ(笑)何を見たって?」
携帯電話の声「だから井上じゃ…」
みっくぃ「切るよ」
携帯電話の声「あーちょい待ち!テレビつけて!テレビ!」
みっくぃ「もう!」
みっくぃがテレビをつける。
テレビではニュースが流れている。
みっくぃ「つけたよ(笑)」
携帯電話の声「それじゃないから、ちょっとチャンネル変えてみてよ!」
みっくぃがだるそうにチャンネルを変える。
みっくぃ「何チャンよ!もう!何なのよ!」
みっくぃの手が止まる。
テレビからロンドの歌声が聞こえる。
携帯電話の声「主題歌だってよ(笑)」
みっくぃ「うそ。。。マジ。。。」
みっくぃの顔が笑顔に変わる。
みっくぃ「きゃー(笑)」
みっくぃが歓喜の声を上げる。
みっくぃ「いやっほう!(笑)」
携帯電話の声「すげーよな(笑)」
みっくぃ「ありがとう(笑)じゃあね(笑)」
みっくぃが携帯電話を切る。
携帯電話の声「それとな俺の本名は…プープープー」
みっくぃがドラマを目を輝かせて見ている。
みっくぃ「凄いよ(笑)凄いよ(笑)」
ドラマが終わってエンドロールに
【主題歌 パパイヤーン しあわせの唄】と流れる。
みっくぃがテレビを消してパソコンに向かってキーボードを叩く。
パソコンの画面は2チャンネル。
みっくぃが書き込みをする。
【凄い凄い(^o^)みんな見たぁ?
しあわせの唄がゴールデンのドラマの主題歌だって(^_^)v
ドラマの雰囲気にもピッタリ(*^_^*)
見てない人はチェック要チェックだぁ(笑)】
みっくぃが投稿のボタンを押す。
パソコンの画面に【投稿されるまでしばらくお待ちください】の文字が現れる。
みっくぃが満面の笑みで立ち上がって。
みっくぃ「お風呂でも入るか(笑)」
みっくぃが部屋を出て行く。
パソコンの画面が切り替わって掲示板の画面になる。
パソコンの画面には
【パパイヤーン終わったな】
【売れるためとは言えあんな曲書くとは…】
【ロンドもついにメジャーの毒にやられたか】
【あんな歌詞中学生でも書けるよなあ】
批判的な書き込みがいっぱい書き込まれている。
音楽 第26話
○スタジオ
パパイヤーンの面々がカメラ目線で座っている。
ロンド「カウントダウンティービーをごらんの皆さん
初めまして(笑)こんばんは(笑)
ザ・パパイヤーンです(笑)」
ベース「こんばんわ」
ドラム「こんばんわ」
ロンド「ギターボーカルのロンドです(笑)」
ベース「ベースのベースです(笑)」
ドラム「ドラムのドラムです(笑)」
ロンド「今日は2月11日に発売するニューシングルを聞いてもらおうと思います(笑)
それではパパイヤーンで【しあわせの唄】です(笑)
どうぞ(笑)」
ロンドがとびっきりの笑顔で曲紹介をする。
○みっくぃの部屋(夜)
みっくぃがテレビにかじりついてテレビを見ている。
テレビではパパイヤーンがしあわせの唄を歌っている。
○井上の部屋(夜)
井上がテレビの前に正座して真剣な顔でカウントダウンティービーを見ている。
○たまちゃんの部屋(夜)
たまちゃんがカウントダウンティービーを見て両手を握って
テロップに合わせてたどたどしく歌っている。
○スタジオ
ロンドが切ない歌詞を切ない顔で歌っている。
○みっくぃの部屋(夜)
みっくぃがテレビを消して。
みっくぃ「全然楽しそうじゃない」
みっくぃパソコンが置いてあるデスクの前の椅子に座る。
みっくぃが携帯電話を取り出して電話をかける。
○井上の部屋(夜)
正座してテレビを見ている井上の後ろで携帯電話がブーンとバイブ音を鳴らしている。
井上はテレビっ子になっている。
○みっくぃの部屋(夜)
みっくぃが携帯電話をベッドに投げつける。
みっくぃ「使えねえなあ」
みっくぃがベッドに潜り込む。
みっくぃ「全然楽しくないよ。
全然楽しそうじゃないよ…」
みっくぃが布団を頭にすっぽりとかぶる。
○ロンド家・玄関・前(朝)
小鳥がチュンチュンとさえずっている。
みっくぃがロンド家の玄関前に仁王立ちしている。
みっくぃがゆっくりと家を見上げて
男らしくインターフォンを鳴らす。
インターフォン「ピンポーン」
みっくぃが男らしく腰に手を当てて反応を伺う。
家の中から反応は無い。
みっくぃがフンと鼻から息を吐き出して、扉を思いっきり開ける。
みっくぃ「たのもー!」
○同・同・中(朝)
みっくぃが玄関から中の様子をうかがう。
人の気配は感じられない。
みっくぃが靴を脱いで家の中に侵入する。
○同・ロンドの部屋(朝)
ロンドが楽しそうな顔でギターをかき鳴らしている。
みっくぃが扉を開けて入ってくる。
ロンドはギターに夢中。
みっくぃ「ロンド!」
ロンドはギターに夢中。
ロンド「ハッピー♪ハッピー♪ハッピーハウス♪」
ロンドが楽しそうな顔で歌い出す。
みっくぃの顔が笑顔になっていく。
ロンドが楽しそうに歌っている。
みっくぃが座りだして両腕をほっぺたにおいてロンドの楽しそうな顔を見つめる。
ロンド「今じゃピーマン食べれるよ♪」
ロンドが歌い終わって恍惚の表情を浮かべてギターを置いて振り返る。
ロンド「み、みっくぃ!(笑)い、いつの間に!(笑)」
みっくぃがニコッと笑って。
みっくぃ「ハッピーマウスくらいの所からだよ(笑)」
ロンド「ハウスだよ(笑)」
みっくぃ「そうなの?(笑)うふふふふふ(笑)」
ロンド「イヒヒイヒヒヒイイヒ(笑)」
みっくぃとロンドが顔を見合わせて爆笑する。
みっくぃ「いいとも見たよ(笑)」
ロンドがみっくぃから視線を外して。
ロンド「ありがとう(笑)」
みっくぃ「…」
ロンド「…」
みっくぃ「さっきの歌ってたのなんて言う歌なの?(笑)」
ロンドがみっくぃの顔を笑顔で見て。
ロンド「ピーマン(笑)」
みっくぃ「楽しそうに歌ってたね(笑)」
ロンドが笑顔で。
ロンド「うん(笑)まあね(笑)」
みっくぃがロンドをジーッと笑顔で見つめる。
ロンド「な、なに?(笑)」
みっくぃ「いやっ(笑)変わってないなって思って(笑)」
ロンド「そうかな(笑)」
みっくぃ「…」
ロンド「ど、どうしたの?(笑)」
みっくぃ「今はね…」
ロンド「俺は変われないよ(笑)」
みっくぃ「音楽辞めるの辞めたんだ?(笑)」
ロンド「…」
みっくぃがロンドの肩をポンと叩いて。
みっくぃ「辞めなくてよかったね(笑)」
ロンド「う、うん」
ロンドがうなだれる。
みっくぃが微笑んで。
みっくぃ「元気ないぞ(笑)」
ロンドが悲しそうな顔でみっくぃを見つめて。
ロンド「なぁ、みっくぃ?ちょっと聞いてもいい?」
みっくぃがうれしそうな顔をして。
みっくぃ「私に答えられることならなんでも聞いてよ(笑)」
ロンド「音楽で食べて行こうと思ったら
歌いたくない曲も歌わなくちゃいけないのかな?」
ロンドが真剣な顔でみっくぃを見つめる。
音楽 第27話
○ロンド家・ロンドの部屋(夜・回想)
ロンドが真剣な顔でたまちゃんを見つめて。
ロンド「好きなことだけやって生活って出来るのかな?」
たまちゃんが笑顔でロンドの顔を見て。
たまちゃん「ハッッハハハ(笑)何言ってるの?(笑)」
ロンドが後頭部を困った顔をして掻いて。
ロンド「結構まじめに聞いてるんだけどなぁ(笑)」
たまちゃんがロンドの肩をポンポンと叩いて。
たまちゃん「ハハッハハ(笑)ごめんごめん(笑)」
ロンド「イヒヒヒヒイイイッヒ(笑)」
ロンドがとりあえず笑う。
たまちゃん「だって好きなことだけやるって事は
好きな事でお金を稼ぐって事でしょ?(笑)
好きなことを仕事にするって事でしょ?(笑)」
ロンド「ま、そういうことだね(笑)」
たまちゃんが笑顔でロンドを見つめて。
たまちゃん「ロンドは通勤ラッシュの電車乗ったことある?(笑)」
ロンドがびっくりした顔をして。
ロンド「あんまり無いかな?(笑)
たまに乗っちゃうときはあるけどね(笑)」
たまちゃん「どんな感じした?(笑)」
ロンド「もう二度と乗りたくないと思ったよ(笑)」
たまちゃん「ハッッハハハハ(笑)」
ロンドが取りあえず笑う。
ロンド「イヒイヒヒヒヒイイ(笑)」
たまちゃんが真剣な顔をしてロンドを見つめて。
たまちゃん「みんなそう思ってるのよ!」
ロンド「え!?」
たまちゃん「みんな二度と乗りたくないって思ってるのよ。
毎日、毎日」
ロンド「そうなの?じゃあ何で毎日乗ってるの?(笑)」
たまちゃんがため息をついて。
たまちゃん「仕事だから…
嫌なことをするのが仕事だから…
そうやってみんなお金をもらってるのよ…」
ロンドががっくりと肩を落として。
ロンド「なんで…」
たまちゃん「家族をしあわせにするためだったり…
満員電車に揺られている人みんなが嫌だなって毎日思いながらも
会社に行って仕事してるんだと思う…
お休みの日にストレスを発散するお金を稼ぐために…」
ロンド「俺。そんなの嫌だよ…」
たまちゃんがロンドの肩をポンと叩いて。
たまちゃん「やりたいことをお仕事にしている人も
満員電車に乗ってるんだよ(笑)
好きだった事を仕事にして嫌いになっていく人も中にはいると思うよ…」
ロンド「…」
たまちゃん「やりたいことだけやりたいなら仕事にしないで
趣味にしちゃった方がいいと思うよ(笑)」
ロンド「…」
ロンドがうつむく。
○ロンド家・ロンドの部屋(朝)
みっくぃが笑顔でロンドを見つめて。
みっくぃ「ロンドはいいんじゃない?(笑)
歌いたい曲だけ歌えば(笑)」
ロンドが笑顔でみっくぃの顔を見上げる。
ロンド「え?(笑)そうかな?(笑)」
みっくぃ「そうだよ(笑)だってロンドが楽しそうに歌ってるところ見ると、こっちまで楽しくなるもん(笑)嫌なこととか全部忘れられちゃう」
ロンド「それでいいのかな?(笑)」
みっくぃ「イインダヨ」
みっくぃ&ロンド「グリーーンだよ(笑)」
みっくぃ「ウフフフフフウウ(笑)」
ロンド「イヒヒヒイイヒイヒ(笑)」
みっくぃとロンドが顔をあわせて笑う。
みっくぃ「ロンドが作る音楽がわかる人に解ればいいんじゃないの?(笑)」
ロンド「そうかな(笑)」
みっくぃ「そうだよ。(笑)解る人に解れば…
…
例えば…」
みっくぃがほほを赤らめる。
ロンドが急に立ち上がってギターを取りに行く。
ロンド「何か一曲浮かんじゃった(笑)」
ロンドが楽しそうにギターをかき鳴らす。
みっくぃがロンドの姿をしあわせそうに見つめる。
ロンドが夢中にギターをかき鳴らしている。
音楽 第28話
○九段下(夕)
みっくぃが九段下の駅から上ってくる。
みっくぃが九段下の駅から日本武道館へ歩いていく。
スーツを着た男がみっくぃに近づいてくる。
スーツを着た男「アリーナあるよ。余ってたら買うよ」
みっくぃがスーツを着た男を無視して歩いていく。
みっくぃの目の前に女の子二人組が段ボールを見せる。
段ボールには【チケット譲ってください】と書いてある。
○日本武道館・前(夕)
みっくぃが上を見上げる。
夕日にそびえる日本武道館。
○みっくぃの部屋(夜・回想)
みっくぃが部屋の電気をつけて部屋に入ってくる。
みっくぃ「ふー」
みっくぃがため息をついてコートを脱ぐ。
コートを脱いだ下にはマックの制服を着ている。
× × ×
みっくぃがパジャマに着替えている。
みっくぃがパソコンの電源をつけてキーボードをいじる。
ディスプレイに【パパイヤーン公式HPへようこそ】の文字が出てくる。
みっくぃが片肘をついてディスプレイを眺めている。
ディスプレイに【パパイヤーン 武道館公演決定!!】の文字。
みっくぃが目を見開いてディスプレイを見る。
みっくぃが【お気に入り】から【2ちゃんねる】をクリックして【パパイヤーン】と打ち込む。
ディスプレイに最新の50件が表示される。
みっくぃが【パパイヤーンついに武道館決定したね(^_^)v】と書き込む。
みっくぃが笑顔で携帯を取り出して電話をかける。
○井上の部屋(夜・回想)
井上が携帯電話を持って。
井上「もしもし」
携帯電話の声「あっ!井上?(笑)」
井上「違うけど(笑)…そうだよ(笑)」
○みっくぃの部屋(夜・回想)
みっくぃが椅子にもたれながら笑顔で携帯をかけている。
みっくぃ「ホムペ見た?(笑)」
携帯電話の声「何のやつ?(笑)」
みっくぃ「公式(笑)
ついに武道館進出だね(笑)」
携帯電話の声「あぁ見た見た(笑)」
みっくぃ「ひさびさに2ちゃんに書き込んじゃったよ(笑)」
携帯電話の声「…」
みっくぃが不思議そうな顔をして。
みっくぃ「おーい(笑)聞こえてるかい?(笑)」
携帯電話の声「…みっくぃなんだ?」
みっくぃ「何のこと?(笑)」
携帯電話の声「2ちゃん書き込みとかするんだ?」
みっくぃが笑いながら。
みっくぃ「たまにね(笑)」
携帯電話の声「…そうなんだ」
みっくぃ「何?怒ってんの?武道館決定って書いただけなんだけど…」
携帯電話の声「…ふーん。みっくぃ、2ちゃん書いてるんだ…」
みっくぃが不機嫌そうな顔になって。
みっくぃ「なんか感じ悪いんですけど…」
携帯電話の声「…ちゃんと読んでみれば解るよ
プップープープー」
みっくぃが携帯電話を見つめて。
みっくぃ「何よ!切ること無いじゃない!」
みっくぃがパソコンに向かってキーボードをカチャカチャ叩く。
みっくぃがディスプレイを見つめて愕然とした顔になる。
ディスプレイにはみっくぃの書き込みの後に
【:関係者乙
:金が欲しくてメジャーに魂を売ったバンドのスレはここですか?
:ロンドが愛だとか恋だとかいうんだwww】
批判系の書き込みが大量に書き込まれている。
みっくぃが驚いた顔をして、『全部』ボタンをクリックして書き込みを全て表示させる。
批判の書き込みがたくさん書かれている掲示板。
みっくぃがディスプレイを見つめる。
○日本武道館・中(夕)
みっくぃがチケットを係の人に渡して会場内に入る。
人。人。人。
女子のスカート率が異様に高い。
みっくぃがチケットを持って歩いている。
グッズ売り場に黒山の人だかりが出来ている。
ウチワとかプロマイドとかジャニーズが売りそうな商品がいっぱい並んでいて飛ぶように売れている。
みっくぃが軽くため息をついてグッズ売り場を通り過ぎていく。
○同・会場内(夕)
みっくぃが会場内に入って辺りを見回す。
みっくぃ「でっけー」
男の声「エヘヘヘヘヘ」
みっくぃが後ろを振り返る。
井上が笑顔で立っている。
井上「みっくぃは思ったこと何でも口にしちゃうタイプでしょ(笑)」
みっくぃが笑顔で。
みっくぃ「井上!(笑)」
井上「だから井上じゃ無くって…」
みっくぃが井上の言葉を遮って。
みっくぃ「井上の席どこなの?」
井上がびっくりした顔をして。
井上「え!?席なんか決まってるの?」
みっくぃがチケットを見て。
みっくぃ「チケットに書いてあんじゃん(笑)」
井上がチケットを見て。
井上「ホントだ(笑)」
井上が会場の中を見る。
会場内は席があってみんな座って話をしている。
井上「まさかパパイヤーンを座って聞くの?」
みっくぃ「みたいだね(笑)でも始まっちゃえば立つでしょ?(笑)」
井上「そうだと良いんだけど…」
井上が見ている先ではカップルがいちゃいちゃしている。
音楽 第29話
○日本武道館・控え室(夕)
パパイヤーンの面々が寝っ転がって天井を見上げている。
ロンドが天井を見上げながら。
ロンド「俺ら今、武道館の控え室にいるね(笑)」
ベース「いるね(笑)」
ドラム「うん(笑)いるね(笑)」
ロンド「俺らなんかが居ていいのかな(笑)」
ベース「どうなんだろうね(笑)」
天井を見上げているパパイヤーンの面々の目前に石田純一風が顔をニュッと突き出す。
石田純一風「いいに決まってるだろ(笑)」
ロンドがビクゥッとする。
ロンド「おおっ!(笑)ビクゥッとしたじゃないですか!!(笑)」
石田純一風「ビクゥッとしてる場合じゃないぞ!
何だこれは!」
石田純一風がA4の紙をロンドに投げつける。
紙がロンドの顔の上に乗って、ロンドが紙を取って手にとって見つめる。
ロンド「何って?今日のライブのセットリストじゃないですか(笑)」
石田純一風「そんなことはわかってるよ!
よーく見てみろよ!」
ロンドがセットリストをよーく見る。
ベースとドラムも顔を突っ込んでセットリストを見る。
パパイヤーンの面々が顔を合わせる。
パパイヤーンの面々「あー!」
石田純一風が何度もうなずきながら。
石田純一風「どうだ!どこがおかしいか解っただろう(笑)」
ロンドがセットリストを石田純一風に見せて。
ロンド「すいません…
漢字間違えてました(笑)」
石田純一風がセットリストを見つめる。
セットリストに【会場:日本武道観】と書かれている。
石田純一風がセットリストを破って。
石田純一風「違うわ!
なんで【しあわせの唄】が入って無いかって言ってるんだよ!!」
ロンドがキョトンとした顔をして。
ロンド「だってあの曲じゃ盛り上がらないじゃ無いじゃないですか(笑)
なあ(笑)」
ロンドがメンバーの顔を見つめる。
ベース&ドラム「まあな(笑)」
ロンド「俺らパンクバンドだしね(笑)」
ベース「盛り上げてナンボってとこあるしね(笑)」
パパイヤーンの面々が顔を見合わせて笑い出す。
石田純一風「甘ったれるんじゃねぇー!!」
石田純一風の叫びにびっくりしてパパイヤーンの面々がまじめな顔で石田純一風の顔を見つめる。
石田純一風「今日来てるお客さんたちはな、【しあわせの唄】を聞きに来てるんだよ!
パパイヤーンを聞きに来てるんじゃ無いんだよ!」
パパイヤーンの面々「…」
石田純一風「パンクバンド?パンクをやりたいならライブハウスでやれよ!
武道館に来てる客はパンクじゃなくて
ヒット曲を聴きに来てるんだよ!」
パパイヤーンの面々「…」
石田純一風「音楽で食って生きたいんだろ?
プロだったら甘いこと言ってないで
客のニーズに答えろよ!
それがプロとしての義務だろ!」
パパイヤーンの面々「…」
石田純一風「ちゃんとやれよな!それで!」
石田純一風が胸ポケットからA4の紙を取り出してパパイヤーンの面々の前に投げつけて控え室の出口に向かう。
ロンドが紙を広げて中を見つめてため息を吐く。
ロンド「ちょっと待ってください!」
石田純一風がドアノブに手をかけたまま振り返る。
石田純一風「なんだ?」
ロンドが石田純一風の元に近寄って。
ロンド「せめてアンコールの前までは俺らの好きにやらさせてください」
ロンドが石田純一風に向かって頭を下げる。
ベースとドラムもロンドの元へやってきてロンドと一緒に石田純一風に頭を下げる。
ベース&ドラム「お願いします」
石田純一風が頭を下げるパパイヤーンの面々を渋い表情で見つめて。
石田純一風「…わかった。好きにしろ」
石田純一風が控え室から去っていく。
ロンドが控え室のドアが閉まったのを確認して、ベースとドラムの顔を見て微笑む。
○同・会場(夕)
みっくぃと井上が座席に座っている。
井上がみっくぃの方を見つめて。
井上「ねえ、みっくぃモッシュとかってどこでやるのかな?
通路かな?(笑)」
みっくぃ「出来ないでしょ?(笑)
普通に(笑)」
井上ががっくりして。
井上「そうか…
パイプ椅子だからこれ、どかしちゃってモッシュしちゃおうか?(笑)」
みっくぃが井上を睨み付ける。
井上「じょ、冗談だよ(笑)」
井上がみっくぃの視線を外して会場内を見回す。
井上「(小声で)通路でやるしかないか…」
みっくぃ「井上!」
会場の照明が落ちる。
場内から黄色い歓声が響き渡る。
観客「キャー!」
観客「チャー!」
ステージ上にスポットライトが当てられてパパイヤーンの面々が立ち位置に付いている。
みっくぃが拍手をしながら立ち上がって絶叫する。
みっくぃ「ロンドー!」
井上が立ち上がって絶叫する。
井上「ロンドー!」
○同・ステージ上(夕)
ロンドがマイクに向かって。
ロンド「どうもー(笑)。ザ・パパイヤーンでーす(笑)」
○同・会場(夕)
みっくぃと井上が立ち上がって絶叫している。
みっくぃ「パパイヤーン!」
井上「さいこー!」
みっくぃ「すてきー…」
みっくぃが辺りを見回すと周りの観客は座りながら歓声を送っている。
みっくぃが後ろを振り返ると後ろの観客がみっくぃのせいでステージ上が見えないらしくて、しかめっ面で首を左右に動かしてステージ上を見ようとしている。
みっくぃが会釈をして座る。
井上が絶叫している。
井上「やっちまえー!」
みっくぃが井上の肩を叩く。
みっくぃ「井上!ちょっと」
井上がちらっとみっくぃの方を見てかまわず絶叫する。
井上「ロンドー!」
みっくぃ心の声「正直、生まれて初めて井上の性格がうらやましいと思った」
みっくぃが席に座って周りの観客に向かって会釈をする。
音楽 第30話
○武道館・ステージ上(夕)
ロンドがベースの顔をチラッと見る。
ベースがニヤリと笑ってうなずく。
ロンドがドラムの顔を見る。
ドラムがニヤリと笑ってうなずく。
ロンドがベースとドラムの顔を見て笑顔でうなずく。
ロンドがマイクから外した声で。
ロンド「わーん!つー!すりー!ふぉー!(笑)」
ドラムがスティックをリズムカルに叩き出す。
ドラムの音「ターン。ターン。ターン」
ロンドがマイクに向かって元気よく叫ぶ。
ロンド「ごー!(笑)」
パパイヤーンの面々が元気よく楽しそうな顔で演奏を始める。
○同・客席(夕)
井上が叫びながら前に向かっていく。
井上「ひゃっほーい(笑)」
みっくぃが慌てて席から立ち上がって。
みっくぃ「ちょっと、井上、ちょ、どこ行くの?」
井上がチラッとみっくぃの方を見て。
井上「俺、今日コンサート見に来たんじゃなくて
ライブ見に来たから(笑)」
みっくぃ「ちょっと、答えになってないよ(笑)」
みっくぃが後ろの観客を見回すと、
腕組みをして見ている者。
あくびをしている者。
隣の彼氏に耳打ちをしている者などがいる。
みっくぃが前を見ると井上に触発されたかのように席を立ち前の方で騒いでいる連中が少ないながらもいる。
みっくぃが騒いでいる連中をジッと見つめる。
笑顔で騒いでいる連中。
笑顔で絶叫している井上。
みっくぃ心の声「そうだ、私、今日はパパイヤーンのライブに来たんだった(笑)」
みっくぃが前に向かって走り出す。
○同・ステージ上(夕)
ロンドがマイクに向かって抜群の笑顔で歌っている。
ロンド「丸くなんかなれないよ♪」
曲が終わる。
ロンド「どうも(笑)ザ・パパイヤーンです(笑)」
客席「わー!わー!わー!」
ロンド「えー(笑)それではメンバー紹介をしてみたいと思います(笑)」
ロンドがベースに手を向ける。
ベースが客席に向かって会釈をして。
ベース「あっ!ベースです(笑)」
ロンドがドラムに手を向ける。
ドラムが客席に会釈をして。
ドラム「ドラムです(笑)」
ロンド「ロンドです(笑)」
客席「ロンドー!」
ロンドが客席に照れくさそうに手を振る。
ロンド「どうも(笑)次は【わかめ】って曲やります」
ドラム「ワン!ツー!スリー!フォー!」
ロンド「わけわかる?♪」
ベース「わけわかめ♪」
ロンド「わけわかる?♪」
ベース「わけわかめ♪」
ロンド「わーけわかめ♪」
○同・客席(夕)
みっくぃと井上が客席の前の方で騒いでいる。
後ろの方の客は座って聞いている。
○同・ステージ上(夕)
演奏が終わる。
ロンドがマイクに向かって笑顔で。
ロンド「ザ・パパイヤーンでした〜(笑)」
ロンドが客席に手を振って笑顔で舞台袖に帰って行く。
ベースとドラムもロンドに続いて舞台袖に帰って行く。
○同・客席(夕)
客席からブーイングがわき起こる。
客席「えー!」
みっくぃがキョロキョロしだす。
みっくぃ「何でブーイングなのよ!」
たまちゃんがみっくぃの後ろにいつの間にか立っている。
たまちゃん「みっくぃ(笑)【しあわせの唄】やらないのかな?(笑)」
みっくぃがびっくりした顔をして。
みっくぃ「たまちゃん!来てたの?(笑)久しぶり(笑)」
たまちゃん「久しぶり(笑)
ねぇ、みっくぃ。【しあわせの唄】やらないのかな?」
井上がたまちゃんに近づいて。
井上「ライブ向きじゃないからね(笑)あの曲は(笑)」
たまちゃんがほっぺたをふくらませて不機嫌そうな顔になる。
たまちゃん「そうなの…」
たまちゃんががっくりと肩を落として去っていく。
客席のブーイングがいつの間にかアンコールに変わっている。
客席「…コール!アンコール!アンコール!」
みっくぃと井上がステージに向かって手を振りながら叫ぶ。
みっくぃ&井上「アンコール!アンコール!」
○同・ステージ脇(夕)
パパイヤーンの面々がタオルで汗を拭きながら水分補給をしている。
パパイヤーンの面々の元に石田純一風が笑顔で近づく。
石田純一風「お疲れ様(笑)」
ロンドが笑顔で。
ロンド「お疲れ様です(笑)」
石田純一風が真剣な顔になって。
石田純一風「わかってるだろうな!ここまでは君たちの好きなようにやってもらったけど…」
ロンド「わかってますよ(笑)な!(笑)」
ロンドがベースとドラムの顔を笑顔で見つめる。
ベース&ドラム「あ、ああ(笑)」
客席からアンコールの大合唱が聞こえる。
石田純一風が耳を澄ませて。
石田純一風「わかってたら良いんだけど…
ここに来ている客が何を聞きに来てるか…」
ロンドが立ち上がって、笑顔で。
ロンド「わかってますよ(笑)」
パパイヤーンの面々がステージ上に向かう。
石田純一風「音楽人生がかかっているんだぞ!」
石田純一風がパパイヤーンの面々に叫ぶ。
○同・ステージ上(夕)
ステージ上にパパイヤーンの面々が現れる。
大歓声に包まれる武道館。
ロンドがマイクに向かって。
ロンド「どうも(笑)ザ・パパイヤーンです(笑)」
客席「キャー!キャー!」
ロンド「アンコールありがとうございます(笑)
次にやる曲で本当に最後の曲になります(笑)
では新曲をやりたいと思います(笑)」
客席から黄色い歓声が飛ぶ。
客席「キャー!キャー!」
ロンドがマイクの前に立って静かに目をつぶる。
音楽 最終話
○ライブハウス・中(夜・回想)
ロンドが楽しそうに歌っている。
ロンド「才能を出すのは怖い♪だけど出さないともったいないよね♪」
○笑っていいとも・スタジオ(回想)
パパイヤーンの面々が照れ笑いをしながらスタジオに入ってくる。
客席から黄色い声援が巻き起こる。
○平和島ビックファン・ゲームセンター(回想)
ロンドがすっごい楽しそうな顔でギターフリークスをプレイしている。
○ロンド家・ロンドの部屋(回想)
たまちゃんがロンドに向かって。
たまちゃん「やりたいことだけやりたいなら仕事にしないで
趣味にしちゃった方がいいと思うよ(笑)」
○ロンド家・ロンドの部屋(回想)
みっくぃがロンドに向かって。
みっくぃ「ロンドが楽しそうに歌ってるところ見ると、こっちまで楽しくなるもん(笑)嫌なこととか全部忘れられちゃう」
○武道館・ステージ上(夕)
ロンドが目をつぶってマイクの前に立っている。
客席から歓声が響く。
○ロンド家・リビング(回想)
父ちゃんが壁から顔だけ出して。
父ちゃん「会社なら心配するな(笑)
息子は好きなことやりなさい(笑)」
父ちゃんがニッと笑う。
○武道館・ステージ上(夕)
ロンド心の声「もう迷わない」
ロンドがパッと目を見開く。
○同・舞台袖(夕)
石田純一風が紙コップでホットコーヒーを飲みながら、後ろのスタッフに向かって。
石田純一風「あの曲を聴いた瞬間行けるって確信したんだよ」
スタッフ「はぁ」
石田純一風が笑いながらコップを口元に運ぶ。
○同・ステージ上(夕)
ロンドが【しあわせの唄】の印象的なギターソロを弾き始める。
客席が大歓声に包まれる。
○同・客席(夕)
帰ろうとしていた、たまちゃんが笑顔で振り返って客席に戻ってくる。
たまちゃん「きゃー」
井上がつまらなそうな顔をする。
みっくぃがステージ上のロンドを心配そうな顔で見つめる。
○同・ステージ上(夕)
ロンドがつまらなそうな顔でギターを弾いている。
○ロンド家・ロンドの部屋(回想)
ロンドが真剣な顔でみっくぃを見つめる。
ロンド「音楽で食べて行こうと思ったら
歌いたくない曲も歌わなくちゃいけないのかな?」
みっくぃが笑顔でロンドを見つめて。
みっくぃ「ロンドはいいんじゃない?(笑)
歌いたい曲だけ歌えば(笑)」
○武道館・ステージ上(夕)
ロンドがパッと顔を上げてベースの顔を見てニヤリと笑う。
ベースがロンドの顔を見てニヤリと笑う。
ロンドがドラムの顔を見てニヤリと笑う。
ドラムがロンドの顔を見てニヤリと笑う。
パパイヤーンの面々が各々の顔を見て大きくうなずく。
ロンドが笑顔になってギターでパンク風のリズムを奏でる。
ロンド「ごー♪(笑)」
ベースとドラムも楽しそうな顔で激しいビートを奏でる。
○同・舞台袖(夕)
石田純一風が口に含んだコーヒーを吐き出す。
石田純一風「ブファ」
スタッフ「汚っ!」
○同・客席(夕)
会場内がざわつく。
客1「アレンジ変えたのかな?」
客2「違う曲だよ」
客1「なにそれ」
井上が飛び上がって叫び出す。
井上「きゃっほーい」
みっくぃが全身でリズムをとり出す。
○同・ステージ上(夕)
ロンドが笑顔で歌っている。
ロンド「走っているのは楽だって♪
歩っているのは楽だって♪
休んでいるのは楽だって♪
他人の決めたルールに縛られて♪
他人の敷いたレールに乗って進んでいくのも楽だって♪
パパイヤーンスタイル♪」
○同・客席(夕)
客の半分くらいが帰り出す。
客1「何だよ!【しあわせの唄】やらないのかよ!」
○同・ステージ上(夕)
ロンド「前に進むのは楽らしい♪
後ろに戻るのは楽らしい♪
そこで休んでるのも楽らしい♪
自分の決めたルールに縛られて♪
自分の敷いたレールに乗って進んでいくのも楽らしい♪
パパイヤーンスタイル♪」
ロンドのギターソロが始まる。
○同・客席
井上がパッと後ろを振り向くとパイプ椅子に座っている客がほとんど帰っていて空席が目立つ。
井上が椅子を押していって空間を作り出す。
みっくぃがびっくりして。
みっくぃ「ちょっと井上!何してるのよ?」
井上が笑顔で。
井上「邪魔な物はどけないと(笑)」
みっくぃが笑顔でうなずいて。
みっくぃ「そうだね(笑)」
みっくぃが椅子をどけ始める。
周りで騒いでいた連中が椅子を押し出し始める。
客席の最前列に大きな空間が出来る。
笑顔で観客が騒ぎ始める。
みっくぃが笑顔の観客を見つめる。
○同・ステージ上(夕)
ロンド「結局自分で決めなくちゃ♪
結局自分で決めようか♪
結局自分で決めました♪
自分が信じたルールを破って♪
自分が作ったレールを外れて進んでいくのもステキじゃない♪
パパイヤーンスタイル♪」
楽しそうに歌っているロンド。
○同・客席(夕)
座っている観客が席を立ち上がってリズムを取り始める。
騒いでいる観客の輪が徐々に大きくなってくる。
○同・ステージ脇(夕)
石田純一風が怒っている。
石田純一風「あいつら!!」
石田純一風が怒りながらもヒザでリズムをとっている。
○同・ステージ上(夕)
ロンドが楽しそうに歌っている。
ロンド「パパイヤーンスタイル♪」
○同・客席(夕)
みっくぃがステージ上で楽しそうに歌っているロンドを見つめる。
みっくぃが熱狂している観客を見つめる。
みっくぃが号泣し始める。
みっくぃ「ヒックヒック」
井上がみっくぃが泣いているのに気がついて。
井上「みっくぃ!どうしたの?泣くような曲じゃないじゃん(笑)何で泣いてるの?」
みっくぃ「ヒック。わからないや(笑)」
みっくぃ心の声「自分自身でも何で泣いているのかなんてわからなかった。
ただ急に涙が流れてきた。
感動っていう字は感情が動くって書く。
感情が動くのに理由なんか必要ないと思う。
喜びたいから喜ぶ
怒りたいから怒る
哀しくなるから哀しむ
楽しみたいから楽しい
泣きたいから泣く
それで良いと思う
そして…」
○平和島・平和の森公園
みっくぃが満面の笑みを浮かべている。
みっくぃ心の声「笑いたいから笑うし…」
パパイヤーンの面々が路上にアンプを持ち出して楽しそうに歌を歌っている。
パパイヤーンの周りに人だかりが出来ていてリズムをとりながらパパイヤーンの音楽に聴き入っている。
みっくぃの隣に井上が全身で楽しそうにリズムをとっている。
ロンドが楽しそうに歌っている。
みっくぃが笑顔で楽しそうなロンドを見つめている。
みっくぃ心の声「好きだから好きだ…
理由はいらない…」
パパイヤーンの演奏が終わる。
盛大な拍手が巻き起こる。
ロンド「どーも(笑)どーも(笑)」
ロンドが井上の顔を見つけて笑顔で。
ロンド「おっ(笑)井上!(笑)」
井上「だから、俺の名前は井上じゃ…」
ロンドがみっくぃを見つけて笑顔で。
ロンド「おっ!(笑)みっくぃ(笑)来てくれたんだ(笑)」
みっくぃが満面の笑みでうなずく。
終わり(若)
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