昔の記憶 第八話
○鈴木家・リビング(朝)
家族がリビングで食事をしている。
実「あの、昨日のおばちゃんって誰?」
和子「何の話?なあに?昨日のおばちゃんって?」
大輔「実、食べないならもらうぞ」
大輔が実の皿のおかずを取る。
愛「ちょっと、大輔兄ちゃん!」
清「まあまあ」
実の心の声「昨日のおばちゃんの事は無いことにされていた」
○同・トイレ・外
愛がトイレの外で待っている。
○同・トイレ・中
実がトイレの窓から外を見る。トイレの窓には鉄格子がはめられている。実が頭を入れようとするが狭すぎて入らない。
愛の声「お兄ちゃん!大丈夫?」
実「だ、大丈夫だよ」
○同・お風呂・中(夜)
実が湯船に浸かっている。
○同・お風呂・外(夜)
愛がお風呂場の前でバスタオルを持って待っている。
○同・実の部屋(夜)
実が布団に入る。
実「お休み」
愛が扉を閉めて部屋の電気を消す。
愛「お休みなさい」
実が目を開ける。ゆっくりと布団から出て扉に耳を当てる。
○同・二階・廊下(夜)
愛がパジャマを手に持って部屋から出る。階段を下りて一階に行く。
実の部屋の扉が開いて実が出てくる。ゆっくりと廊下から下を覗く。愛がお風呂に入るのが見える。実がゆっくりと愛の部屋に行き扉を開く。
○同・愛の部屋(夜)
実が愛の部屋にゆっくり入る。部屋の作りは実の部屋と一緒だが、所々に女の子らしい小物が置いてあり、壁には日本画が飾ってある。近づいて見てみると【経厳】とサインが入っている。
実「やっぱりここにも…」
実が部屋の中を物色する。
× × ×
実「ん?何でこんな物が…」
【岩見経厳】と書かれた通帳が出てくる。
○同・お風呂・外(夜)
お風呂場から愛が出てくる。
○同・実の部屋・中(夜・カットバック)
実が部屋の隅で通帳を見ている。(部屋の作りが愛の部屋と一緒なので、愛の部屋に居るようにも見える)
○同・愛の部屋・前(夜)
愛が部屋のドアを開ける。
○同・愛の部屋・中(夜)
愛が部屋に入り明かりをつける。
誰もいない。
○同・実の部屋・中(夜)
実が通帳を眺めている。
実「何でこんな物を持っているんだ…う…」
実が頭痛を起こして頭を押さえる。
実「ふう」
実が通帳の中身を見る。
残高が多く入っているが、2008年の12月15日に貯金が全額引き出され0円になっている。
実「2008年の12月の15日に全部引き出されている…」