不老不死 第十九話


○研究所・大広間
三郎「二郎?いる?」
二郎の姿は見えない。

○同・研究室
三郎「二郎?」
二郎の姿は見えない。

○同・奥の部屋
三郎「二郎?いる?」
物音がする。
三郎「二郎?いるの?」
二郎「…いるよ」
二郎が床に横になっている。
三郎「…何してるの?」
二郎「動かないようにしてるんだよ」
三郎「え?なんで?」
二郎「色々考えたんだけど、多分動いたら、劣化が早くなるだろ」
三郎「そうなの?」
二郎「一郎がそうだっただろ」
三郎「僕たちも一郎と同じ事してたじゃん」
二郎「一郎は俺たちよりも早く生まれてるんだよ!三郎もあんまり動くと早く死んじゃうぞ!」
三郎「そうなの?僕、まだ死にたくないよ」
二郎「俺もだ」
三郎が二郎の隣で横になる。

○宇宙から見た地球
地球の表面に砂の層が出来ていて、地表が見えない。
地球が太陽の周りを何周も公転する。
徐々に地表を覆っている砂の層が晴れて地表が姿を現す。

○研究所・奥の部屋(朝)
二郎と三郎が床に横になっている。太陽の光がカーテンの隙間から部屋に差し込む。
三郎「見て!二郎!光が!」
三郎が立ち上がり、カーテンを開く。太陽の光が部屋全体に入り込む。
三郎「見て!見て!」

○同・外(朝)
地面に砂がつもっている。三郎が砂を蹴る。三郎が太陽をまぶしそうに見上げる。
三郎「良い天気だぁ」
三郎が窓を叩く。
三郎「二郎!見てよ!すっごい。良い天気だよ!遊ぼうよ!」

○同・奥の部屋(朝)
二郎が窓に背を向ける。
二郎「(小声で)騒いだら早く死ぬ」
三郎が外で騒いでる。
三郎の声「二郎!見てよ!ねぇったら」
三郎が窓をよじ登って部屋に入ってくる。
三郎「二郎!」
三郎が二郎の肩を引っ張って窓の方に向かせる。
三郎「遊ぼうよ。ねぇって。聞いてる?」
二郎が三郎を睨みつける。
二郎「騒いだら早く死んじゃうだろーが!」
三郎「…二郎」
二郎がハッとして窓に背を向ける。
二郎「(小声で)死にたくないんだよ。解ってくれよ…(泣く)」
三郎「…」
二郎「(小声で)三郎だって、まだ死にたくないだろ?」
三郎「ごめんよ。二郎」
三郎がカーテンを閉めて、二郎の隣で横になる。

○宇宙から見た地球
地球が自転をしている。日本が太陽の当たる位置に来たり外れたりする。

○研究所・外
研究所の上を太陽が通って、朝と夜が何度も来る。




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