「1・2の3」NEWver第四話
○田中家・リビング
タイトル「約束の日曜日」
一郎がテレビを見て笑っている。
和夫「一郎、日曜日なのに、お昼過ぎまで家でボーッとしてて何か予定無いのか?友達と遊ぶ予定とか…デートする予定とか?」
一郎「予定?別に何にもないよ」
和夫「じゃあ、ちょっとおつかい行ってくれないか?おつかい?おつかい?」
一郎「うん。いいよ。(辺りを見回して)あれ?お母さんは…?」
和夫「お母さんはまだ出張に出てるよ」
一郎「ああそうなんだ。で、おつかいって?」
和夫「ここの店でシュークリーム買ってきて欲しいんだけど(メモを一郎に渡す)」
○渋谷・ハチ公前
律子がハチ公前で腕時計を見ながら待っている。
一郎が手にメモ用紙を持ちながら渋谷駅の改札から出てくる。
一郎「シュークリームを買ってくる。シュークリームを買ってくる…」
渋谷駅のスクランブル交差点にある巨大モニターに14時の表示が出ている。
律子「(一郎の姿を見つける)あ!(一郎の目の前に現れる)遅かったじゃない。遅れてきたら何ていうの?」
一郎「!?あー…君どっかで会った?よね」
律子「なんなのそれ?新しい言い訳?」
信号が青になり一郎が渡ろうとする。
律子「ちょっと遅れておいて、どこ行くの?(一郎の手を引っ張る)映画館はこっち!(腕時計を見て)ちょっと走るわよ(走り出す)」
一郎「シュ、シュ、シュークリーム…」
○映画館・チケット売り場
一郎と律子がチケット売り場の前でハアハア言っている。
律子「間に合ったぁ。良かったね(笑)」
一郎「!?う、うん」
律子「早く買ってきて」
一郎「!?」
律子「遅れてきたんだからチケット代くらい払いなさいよ」
一郎「俺遅れたの?」
律子「わかったから。取りあえずチケット買ってきて。言い訳は後で聞くから。早くしないと始まっちゃうでしょ?ほら、早くチケット買ってきて」
一郎「でも、俺、お金が…(ジャンバーのポケットに手を突っ込む。お金が出てくる)あれ?」
○同・中
一郎と律子が映画を見ている。
○同・外
一郎と律子が映画館から出てくる。
律子「付き合ってくれてありがとう。私この映画ずっと見たかったの」
一郎が微笑む。
律子「あ!(一郎の腕を引っ張る)ねえねえプリクラ撮らない?」
律子の視線の先にゲームセンター。
○ゲームセンター・プリクラマシーン
プリクラの機械の中でポーズを取る律子。一郎が最初はぎこちない笑顔だったが、撮るうちに満面の笑顔になる。
○同・中
律子「(プリクラを一郎に渡す)はい。大切にしてね」
一郎がプリクラを受け取る。
律子「ほら!しまって!(ジェスチャー)」
一郎がプリクラをポケットにしまう。
一郎「ねえ。律子ちゃん。(生唾を飲み込む)俺、律子ちゃんの事好きかもしれない」
律子「そんな事簡単に言わないでよ(笑)」
○同・外
ゲームセンターから一郎と律子が出る。
一郎「(一郎が立ち止まる)…井上の声だ」
律子「は?何言ってるの?誰も…」
井上の声「…一郎!」
一郎「(振り返り)井上!!」
井上「(走ってきて)一郎!何してたんだよ!何してたんだよ!何してたんだよ!心配したんだぞ!心配!心配したんだぞ!」
律子「そんなにいっぱい言わなくてもいいんじゃないの?一回…」
井上「ちょっと(律子の口をふさいで)それ以上言うな!!(小声で)この前言っただろ。一郎はお前達とは違うんだよ!」
律子「ちょっと離しなさいよ!!」
井上「(小声で)一郎には三回言わないと通じないんだよ!!」
一郎「ごめん。井上。心配かけちゃって」
井上「本当だよ。お父さんが心配してたぞ」
一郎「…」
律子「…」
井上「お父さんが心配してたぞ」
一郎「…」
律子「なんなのよ。ちょっと…」
井上「お父さんが心配してたぞ!!」
一郎「そうなの!!ごめん!」
井上「(小声で律子に向かって)見ろ!お前達と一郎は違うんだ。もうほっといてくれ。(一郎に向かって)よし!一郎!帰ろっか。帰ろう。帰ろう」
一郎「うん(律子を見つめながら去る)」
律子が一郎の後ろ姿を見つめる
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